DOOR (コブクロの曲)

コブクロ『DOOR』：インディーズ時代からの軌跡と、スポーツ選手への影響

2004年5月12日、日本のフォークデュオ・コブクロの9枚目のシングル『DOOR』がワーナーミュージック・ジャパンよりリリースされました。このシングルは、同グループにとって前作『blue blue』から約8ヶ月ぶりのリリースであり、大きな注目を集めました。

特筆すべき点は、表題曲『DOOR』がコブクロのインディーズ時代から存在していた楽曲であるということです。2000年にリリースされたインディーズアルバム『Root of my mind』に既に収録されており、「桜」と共に人気を集めていました。そして、この『DOOR』は、黒田俊介さんが初めて作詞作曲を手掛けた楽曲としても知られています。2023年現在に至るまで、黒田さん単独の作詞作曲によるシングルは『DOOR』のみであり、コブクロの音楽史において重要な作品と言えるでしょう。

カップリング曲には「The Big Man's Blues」、「忘れてはいけないもの」が収録されています。「The Big Man's Blues」は、黒田俊介さんの作詞作曲による楽曲です。コブクロの他のシングル曲は、小渕健太郎さんの単独作詞作曲、または二人の共作がほとんどであるため、この点も『DOOR』の特異性を際立たせています。「忘れてはいけないもの」は、小渕健太郎さんの作詞作曲による楽曲で、後に夏川りみさんがカバーアルバム『歌さがし 〜リクエストカバーアルバム〜』で歌唱しています。

『DOOR』は、その力強い歌詞から、多くのスポーツ選手に支持されている楽曲としても知られています。特に、深津飛成選手は歌詞をタトゥーとして刻み込んでいることでも有名です。また、岡林勇希選手、竹安大知選手など、多くの選手が自身の登場曲として『DOOR』を選んでいます。さらに、サッカー選手である堂安律選手は、試合に向かうバスを降りる際にこの曲を聴いていると語っており、その歌詞に込められた勇気や希望が、アスリートたちの心を強く掴んでいることが分かります。

『DOOR』は、福岡放送『アッコとマチャミの新型テレビ』のテーマソング、ならびに奈良テレビ放送『高校野球奈良県大会中継』の2007年度テーマソングにも起用されました。これらの起用からも、この楽曲の持つ普遍的な魅力と、多くの人々の共感を呼ぶ力強さが伺えます。

収録アルバムとしては、『Root of my mind』（インディーズ版）、『MUSIC MAN SHIP』、そして『ALL SINGLES BEST』（新録バージョン）、『ALL TIME BEST 1998-2018』（新録バージョン）に収録されています。ただし、「忘れてはいけないもの」は、これらどのアルバムにも収録されていません。

このように、『DOOR』は、コブクロのインディーズ時代の楽曲をシングルカットした記念碑的な作品であり、黒田俊介さんの作詞作曲家としてのキャリアの出発点として、そして多くのスポーツ選手に勇気を与え続けるアンセムとして、日本の音楽シーンに確固たる地位を築いていると言えるでしょう。編曲は全曲を通して笹路正徳氏が担当しています。

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