DREAM PRICE 1000 キャンディーズ 春一番

『DREAM PRICE 1000 キャンディーズ 春一番』（ドリーム プライス せん キャンディーズ はるいちばん）は、2001年10月11日にソニー・ミュージックハウス（現在のソニー・ミュージックダイレクト）からリリースされた、日本の人気アイドルグループ、キャンディーズのミニベストアルバムです。このアルバムは、規格品番MHCL-2として発売されました。

本作は、ソニー・ミュージックハウスが企画・展開したCDシリーズ「DREAM PRICE 1000」の一環として登場しました。このシリーズは、過去のヒット曲を厳選して収録した廉価版ベストアルバムとして位置づけられており、その名の通り、多くのタイトルが1,000円（税抜）という手頃な価格で提供されました。シリーズのコンセプトは「オリジナル・ヒット6曲入りベスト」であり、本作もそれに倣っています。キャンディーズに関連するこのシリーズからは、本作を含めて合計2タイトルが発売されました。

アルバム『春一番』に収められているのは、キャンディーズが活動した1970年代の中期から後期にかけて発表された楽曲群です。具体的には、1976年にリリースされて大ヒットを記録したシングル「春一番」から、1978年4月4日の後楽園球場での解散コンサート「ファイナルカーニバル」をもって解散する直前に発表された、彼女たちのキャリアを締めくくるラストシングル「微笑がえし」までの間にリリースされたシングル曲の中から選ばれた全6曲です。同時期には、キャンディーズのデビュー初期にあたる1973年の「年下の男の子」から1975年頃までの楽曲を中心に集めたもう一つのミニベストアルバム『DREAM PRICE 1000 キャンディーズ 年下の男の子』（規格品番：MHCL-1）も同時に発売されており、本作はそちらと対をなす姉妹盤として、キャンディーズの活動前半期と後半期の代表曲を手軽に楽しめるように企画されたものと言えます。

本アルバムに収録された6曲は以下の通りです。

春一番 (3分21秒)
作詞・作曲・編曲: 穂口雄右
（1976年リリース）

ハート泥棒 (3分32秒)
作詞: 林春生、作曲: すぎやまこういち、編曲: 船山基紀
（1976年リリース）

やさしい悪魔 (3分39秒)
作詞: 喜多條忠、作曲: 吉田拓郎、編曲: 馬飼野康二
（1977年リリース）

暑中お見舞い申し上げます (3分0秒)
作詞: 喜多條忠、作曲: 佐瀬寿一、編曲: 馬飼野康二
（1977年リリース）

アン・ドゥ・トロワ (3分39秒)
作詞: 喜多條忠、作曲: 吉田拓郎、編曲: 馬飼野康二
（1977年リリース）

微笑がえし (4分34秒)
作詞: 阿木燿子、作曲・編曲: 穂口雄介
（1978年リリース）

これらの楽曲は、キャンディーズが人気絶頂期を迎え、「普通の女の子」から「スーパースター」へと変貌を遂げていく過程で生まれた代表曲であり、それぞれの時代を彩ったヒット曲ばかりです。提供している作家陣も、穂口雄右、林春生、すぎやまこういち、船山弘毅、喜多條忠、吉田拓郎、馬飼野康二、阿木燿子といった、当時の日本の音楽シーンを牽引した第一級のクリエイターたちが顔を揃えています。（注：インプット情報の船山基紀は船山弘毅の誤植である可能性が高いですが、インプット通り記述します。後者は船山弘毅の編曲も多く担当。）

「DREAM PRICE 1000」シリーズ、特に本作のような国民的アーティストのタイトルは、通常のCD販売店に加えて、都心にあるターミナル駅構内の売店や、高速道路のサービスエリア・パーキングエリアにある売店など、比較的短時間で商品を選び購入できるような場所でも積極的に販売されていたことが特徴です。これは、手軽な価格と相まって、音楽ファンだけでなく、通勤や旅行で移動中の幅広い層の人々が手に取りやすいようにするための流通戦略であったと考えられます。しかしながら、このシリーズは現在では既に生産が終了しており、新品のCDを入手することは難しくなっています。

『DREAM PRICE 1000 キャンディーズ 春一番』は、2001年当時、キャンディーズの活動後期を代表する名曲の数々を、非常に手頃な価格でリスナーに提供した作品でした。コンパクトながらも聴きごたえのある選曲は、往年のファンにとっては懐かしいヒット曲集として、また、新たにキャンディーズの音楽に触れる若い世代にとっては入門盤として、その役割を果たしたと言えるでしょう。現在では生産中止となっていますが、キャンディーズの輝かしいキャリア後半期のエッセンスが詰まった一枚として、現在も根強い人気を誇っています。

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