DeepZenGo

DeepZenGo：AI囲碁ソフトの軌跡

DeepZenGoは、日本のDeepZenGoプロジェクトによって開発された革新的な囲碁AIです。加藤英樹と尾島陽児を中心に、ドワンゴや日本棋院の協力のもと、最先端のディープラーニング技術を駆使して開発されました。

概要

DeepZenGoは、単なる囲碁ソフトではなく、AI技術の進歩を象徴する存在です。2017年には、当時の日本のトップ棋士であった井山裕太六冠に勝利し、その実力を証明しました。2018年時点では、日本最強の囲碁ソフトとして知られていました。その技術は一般向けにも展開され、『天頂の囲碁7 Zen』として市販もされました。

開発経緯

DeepZenGoの開発は、2009年に加藤英樹と尾島陽児が「チームDeepZen」を発足させたことから始まりました。初期のバージョン「ZEN」はモンテカルロ法を取り入れ、UEC杯コンピュータ[[囲碁]]大会で好成績を収めました。その後、GoogleのAlphaGoに触発され、ドワンゴからGPUサーバーファームの提供を受け、2016年にディープラーニングを取り入れた「DeepZenGoプロジェクト」が本格的に始動しました。このプロジェクトには、将棋ソフト「Ponanza」の開発者である山本一成や、東京大学大学院の松尾豊研究室など、様々な分野の専門家が参加し、日本棋院も協力しました。

2018年、DeepZenGoは対局サイト「幽玄の間」でのプロ棋士に対する勝率や、世界電脳囲碁オープン戦での優勝などにより、AlphaGoに匹敵するレベルに到達したと評価されました。プロジェクトは目標を達成したとして終了し、DeepZenGoは囲碁電王戦FINALを最後に引退しました。

プロ棋士との対戦

DeepZenGoは、プロ棋士との数々の対戦を通じて、その実力を示しました。2016年には、趙治勲名誉名人と互先三番勝負を行い、1勝2敗という結果でした。また、ワールド碁チャンピオンシップでは、井山裕太に勝利するなど、世界のトップ棋士とも互角に戦いました。電聖戦では一力遼に勝利しています。しかし、第3回 Mlily夢百合杯世界囲碁オープン戦では、本戦に出場したものの、2回戦で敗退しました。

引退試合となった囲碁電王戦FINALでは、再びトップ棋士たちと対戦し、2勝1敗で有終の美を飾りました。

井山裕太との対戦譜

2017年のワールド碁チャンピオンシップでの井山裕太との対戦は、DeepZenGoの強さを示す好例です。DeepZenGoは黒番で、序盤から積極的に陣地を確保し、優位に進めました。その後、井山も粘り強く対応しましたが、最終的にはDeepZenGoが勝利しました。この対局は、AIが人間のトップ棋士に勝利するという、歴史的な瞬間として記録されました。

注

DeepZenGoプロジェクト終了後も、その技術は様々な形で活用されています。DeepZenGoの開発で培われたノウハウは、他のAI開発にも貢献しています。

関連項目

天頂の囲碁 - ZENをエンジンとした市販囲碁ソフト
GLOBIS-AQZ

外部リンク

* 『天頂の囲碁7 Zen』特設ページ

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