Dolphin (エミュレータ)

Dolphin (ドルフィン): ゲームキューブ・Wiiエミュレータの詳細解説

Dolphinは、ゲームキューブ、Wii、そしてアーケードゲーム基板トライフォースのエミュレートを可能にする、オープンソースのソフトウェアです。Windows、macOS、Linux、Androidといった多様なプラットフォームに対応しており、多くのゲームファンに利用されています。

概要

その名前は、ゲームキューブの開発コード名に由来します。単なるエミュレータに留まらず、実機以上の性能を発揮できる点が高く評価されています。対応するゲームタイトルの豊富さも魅力の一つです。Eurogamerや1UP.comといった著名なゲーム評価サイトでは、Dolphinでハイビジョン画質でのゲームプレイが可能であると評価しています。

特徴

• - コントローラーの自由度: キーボードやゲームパッドに加え、Bluetoothを通じてWiiリモコンも使用できます。
• - ネットワーク機能: ニンテンドーWi-Fiコネクションを介して、Dolphinユーザー間はもちろん、Wii実機とのオンライン対戦も可能です。
• - グラフィックの強化: 高解像度化、ワイドスクリーン化、アンチエイリアス、異方性フィルタリング、NVIDIA 3D Visionへの対応など、グラフィック面での強化が図られています（ただし、一部タイトルでのみ正常に動作）。
• - その他の機能: チートコードの実行、プロアクションリプレイへの対応、途中セーブ、フレームスキップ、JITコンパイラ、TASツールなど、多彩な機能が搭載されています。

歴史

• - 誕生: 2003年にゲームキューブのエミュレータとして最初のバージョンがリリースされました。初期バージョンではオーディオ機能は未実装でした。
• - 開発の一時中断と再開: 2004年のバージョン1.01の公開後、プロジェクトは一時的に開発を終了しましたが、2005年に再開されました。2007年に公開されたバージョン1.03で、オーディオ再生がサポートされました。
• - Wii対応とオープンソース化: 2008年7月13日、Dolphinはオープンソースとして、GPLv2ライセンスの下でGoogle Codeに公開されました。この時点でWiiのエミュレーションもサポートされるようになりました。
• - 進化: 2011年7月にはバージョン3.0がリリースされ、GUIの改善や各種機能の追加、DirectX 11とXaudio2の導入が行われました。また、アラビア語、ブラジルポルトガル語、フランス語など8つの言語が新たに追加されました。2012年12月25日のバージョン3.5では、FreeBSDがサポートされました。
• - Android対応: 2013年4月6日、Androidへの対応が実現しました。OpenGL ES 3.0に対応したハードウェアとAndroid 4.3以降のOSが必要です。
• - DirectX 9のサポート終了: 2013年10月12日に公開されたバージョン4.0-155で、DirectX 9のサポートが打ち切られ、DirectX 11とOpenGLのみがサポート対象となりました。開発チームは、DirectX 9の機能に問題があり、開発の停滞を招くためと説明しています。
• - 32ビットアプリケーションのサポート終了: 2014年5月19日、WindowsとLinuxの32ビットアプリケーションのサポートを終了することが発表されました。

Dolphinは、長年の開発を経て、多くのゲームファンに愛されるエミュレータへと成長しました。その進化は今も続いています。

関連項目

• - エミュレータ (コンピュータ)
• - ゲームエミュレータ
• - Wiiのゲームタイトル一覧
• - ニンテンドーゲームキューブのゲームタイトル一覧

外部リンク

• - Dolphin Emulator（公式サイト）
• - Dolphin Emulator（GitHub）
• - GC+Wiiエミュレータ Wiki（非公式wiki）

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