EL/M-2248 MF-STAR

EL/M-2248 MF-STAR

EL/M-2248 MF-STAR（Multi-function surveillance & threat alert radar）は、イスラエルのエルタ・システムズ社が開発した、艦載用の先進的な多機能レーダーです。このレーダーは、主に海上自衛や敵の脅威監視の目的で設計されています。

設計と性能

本レーダーは、コルベットサイズの艦艇でも搭載できるように設計されており、固定式の4面アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナを備えています。各アンテナの重量は1,500キログラムで、関連する艦内装備機器は900キログラムとされています。

探知性能は優れており、高高度を飛行する航空機に対しては最大250キロメートル、低高度での対艦ミサイルに対しても25キロメートルの距離を捉えることが可能です。さらに、実用化が進むにつれて、フリゲート向けのモデルはシステムのスケールが拡大され、アンテナサイズは3×3メートルに、送受信モジュール数は2,000個へと増加しました。これにより、最大探知距離は450キロメートルに引き上げられました。

小型のコルベット向けには、アンテナサイズを1×2メートルに抑え、重量を500キログラムに軽量化したバージョンも存在します。このモデルでも、最大探知距離は250キロメートルを維持しています。このレーダーは、多機能性を持ち、ミサイルの指令誘導やセミアクティブ・レーダー・ホーミング誘導のサポートを行います。

特にIAI社のバラク 8艦対空ミサイルに対する中間指令誘導も可能であり、防空能力の向上に寄与しています。

アルファモデルの展開

このMF-STARを基に、EL/M-2258 ALPHAも開発されました。ALPHAは更に小型の艦への搭載を目指し、アンテナや艦外装備品が700キログラム、艦内装備品が500キログラムと、より軽量化が図られています。高高度の目標に対する探知距離は120キロメートル、低空目標に対しては25キロメートルを達成しています。

イスラエル海軍では、EL/M-2258 ALPHAはサール4.5型ミサイル艇に搭載されるなど、様々な艦艇との互換性も持っています。

採用国と搭載艦艇

このレーダーは、イスラエル海軍のサール5型コルベットやサール6型コルベットに搭載されています。また、インド海軍ではコルカタ級やヴィシャーカパトナム級駆逐艦、さらには空母「ヴィクラント」やニルギリ級フリゲート（予定）にも装備される計画です。さらに、大韓民国海軍でも独島級揚陸艦「馬羅島」に搭載されています。

まとめ

EL/M-2248 MF-STARは、多機能かつ高度な性能を備えた艦載レーダーであり、海上での防衛戦略において重要な役割を果たしています。その探知能力や中間指令誘導の機能は、現代の海戦における必要不可欠な要素です。これからの海軍力の強化に向けて、同レーダーシステムの重要性はますます高まるでしょう。

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