EXtended Global Platform

eXtended Global Platform（XGP）とは

eXtended Global Platform（XGP）は、移動体通信を想定した無線ネットワークシステム（BWA）の規格の一つです。従来のPHSのコンセプトを引き継ぎつつ、最新の無線技術を導入することで、通信速度の大幅な向上を目指しました。開発段階では「次世代PHS」とも呼ばれていましたが、従来のPHSとの互換性はありません。

ウィルコムが実用化に成功し、2.5GHz帯の周波数を利用して「WILLCOM CORE XGP」のブランド名でサービスを提供していました。ただし、XGPは従来のPHSとは異なる規格であり、音声サービスは提供対象外でした。また、免許の関係上、電話番号は割り振られていませんでした。そのため、ウィルコムはXGPを「次世代PHS」とは呼ばず、マスコミに対してもそのように呼びかけました。

実質的な後継方式であるAXGP（Advanced eXtended Global Platform）が2011年11月1日に開始され、2012年1月31日をもってXGPは通信方式としての役割を終えました。

主な経緯

2005年9月：ウィルコムが「次世代PHS」の実験局免許を申請。OFDM技術を利用し、下り20Mbpsの通信を目標と発表。
2005年11月：総務省から次世代PHSの実験予備免許交付。2.3GHz帯を使用し、帯域幅は5MHz。
2006年8月：ウィルコムが2.5GHz帯の実験免許を取得。OFDM技術にアダプティブアレイアンテナ技術、またはMIMO技術を適用した性能評価を実施。
2006年9月：2.5GHz帯実験局で伝送速度20Mbps（上下）を達成。
2006年：総務省が2.5GHz帯をBWA用の周波数帯として割り当てる方針を示す。モバイルWiMAX、MBTDD、次世代PHSが技術検討の対象に。
2007年4月：ITU-RのBWA勧告（ITU-R M.1801）の対象となる。
2007年5月：総務省の指針案で、第三世代携帯電話事業者との出資比率が3分の1以下である必要性が示唆され、ウィルコムへの割り当てが濃厚と報道される。
2007年12月：ウィルコムが広帯域移動無線アクセスシステム（BWA）の事業者として認定。
2009年4月：ウィルコムが東京都山手線内の一部地区でWILLCOM CORE XGPエリア限定サービスを開始。
2010年2月：ウィルコムがXGP事業の展開に伴う財務負担により事業再生ADR手続を申請。
2010年3月：ウィルコムのXGP事業をAPファンドとソフトバンク等が設立する新会社に譲渡。
2010年12月：ウィルコムのXGP事業をWireless City Planning（WCP）が譲受。
2011年11月：WCPがAXGPによる「AXGPサービス」を開始。下り最大110Mbpsの通信を実現。
2012年1月：WCPによるXGPサービスを終了。既存ユーザーはAXGPサービスへ移行。
2012年2月：ソフトバンクモバイルがWCPのAXGPサービスをMVNOとして「SoftBank 4G」の名称で開始。

XGPの特徴

PHSのマイクロセル・自律分散のコンセプトを継承。
最新の無線技術（OFDM、アダプティブアレイアンテナ、MIMOなど）を利用。
従来のPHSと比較して大幅に高速な通信速度を実現。
従来のPHSとの互換性はない。
音声サービスは提供対象外。
電話番号は割り当てられない。

関連事項

WILLCOM CORE XGP
ウィルコム
PHS
モバイルWiMAX
Long Term Evolution
Wireless City Planning

外部リンク

XGPフォーラム

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