F-80 (航空機)

F-80 シューティングスター

F-80、愛称シューティングスターは、アメリカ陸軍航空軍により運用されたロッキード製のジェット戦闘機です。この機体は、第二次世界大戦中に開発が始まり、その後アメリカ空軍が発足した1948年にF-80に改称されました。近代ジェット戦闘機の基本デザインを確立したとして高く評価され、その派生モデルである練習機T-33は、世界中の多くの国で長期にわたって使用されました。

沿革

開発

F-80は、アメリカ軍における初の実用ジェット戦闘機として位置づけられています。1943年6月23日に開発が命じられ、主任設計者のクラレンス・ジョンソンの指導のもと、基本設計はわずか1週間で完了しました。1944年1月8日には、ハルフォードH.1Bエンジンを搭載した試作機XP-80が初飛行を果たしました。

試作機XP-80Aでは、エンジンがジェネラル・エレクトリックのI-40に変更され、その後の量産型P-80Aにも影響を与えました。この機体は、当時のレシプロ機に対しても優れた飛行性能を発揮し、ジェット戦闘機としての地位を確立しました。

実戦配備

F-80は、1945年春から量産が始まりましたが、残念ながら第二次世界大戦の終結により実戦配備が実現することはありませんでした。そのため、生産された900機強のうち、実際に配備されたのはわずか45機でした。

こうした経緯の中、F-80は1950年に始まった朝鮮戦争の際に再び脚光を浴びます。F-80は制空任務に従事し、新型MiG-15との初交戦で撃墜を記録しましたが、次第にこの新鋭機に対抗することが難しくなり、対地攻撃及び偵察任務へシフトしました。出撃数はアメリカ軍機の中で最多を記録しました。

特徴

F-80のデザインには、主翼の先端に設置された増槽や、胴体中央部に配置されたターボジェットエンジンの独特な構造が含まれています。この構造により、特にエンドプレーンでの空力特性が向上し、後に多くのジェット機に影響を与えました。

しかし、F-80は急ぎ開発されたため、高高度での飛行特性には一部問題がありました。特に、失速速度と旋回速度の差が小さいことから、操縦特性にはクセが指摘されました。それでも、練習機型のT-33では改善され、よりバランスの取れた飛行が可能となりました。さらに、エアインテークの位置により、F-94など異なるモデルへの発展も容易になりました。

派生型

F-80には様々な派生型が存在します。例えば、試作機のXP-80やXP-80A、偵察機型のXFP-80A、練習機型のT-33などがあり、これらは多くの国で使用されました。気晴らし演習機型や無人標的機型も含まれ、多岐にわたる運用と適応能力を示しています。

まとめ

F-80シューティングスターは、第二次世界大戦の混乱の中で開発され、実用化されていく過程で多くの革新をもたらしました。朝鮮戦争ではその存在感を示し、後の戦闘機開発に多大な影響を与えた歴史的な機体です。

もう一度検索