GHOST GIRL ゴーストガール

『GHOST GIRL ゴーストガール』：大人のための変身魔法少女物語

紗池晃久氏による漫画作品『GHOST GIRL ゴーストガール』（英題：Ghost Reaper Girl）は、2020年7月より『少年ジャンプ+』で連載中の、異色の魔法少女アクションコメディです。前作『ロザリオとバンパイア』から約6年ぶりの連載作品となり、クトゥルー神話の世界観を取り入れた独特な設定と、アラサー女性主人公による痛快なバトルが魅力となっています。

斬新な設定と魅力的なキャラクターたち

本作の主人公は、売れないアラサー女優クロエ・ラヴ。童顔で年齢不詳な容姿とは裏腹に、実はあらゆる霊を憑依させることができる霊媒体質の持ち主です。ある日、イケメン幽霊のカイ・イォドと出会い、彼を憑依させることで魔法少女に変身し、悪霊退治を始めることになります。

カイを始め、クロエと共に戦う個性豊かな仲間たちも登場します。猫の幽霊でクロエの使い魔となるノエル・ウルタール、アーカムバレット極東部局長のニャルラトホテプ、そしてドクター・ウェストとその使い魔であるゾンビ少女ショゴスなど、それぞれに複雑な過去や能力を持ち、物語に深みを与えています。

クトゥルー神話と横浜を舞台にした壮大な物語

物語の舞台は、多国籍都市横浜。アメリカの小説をモチーフにした世界観と、作者である紗池氏の「特別な愛着」を持つ横浜の風景が見事に融合しています。横浜市イギリス館、横浜中華街、横浜ベイクォーター、みなとみらい大橋、山手111番館など、現実の地名や建造物が物語の背景として登場し、読者に親近感を与えています。

ストーリーは、黄泉の監獄から脱走した悪霊との戦いから始まります。クロエは、カイやノエルらと共に、様々な悪霊や邪神と戦いながら、自身の能力を磨いていきます。物語が進むにつれて、クトゥルー神話に関連する存在や、アーカムバレットという謎めいた組織の陰謀も明らかになり、壮大なスケールの展開へと繋がっていきます。

海外展開と連載休止

本作は、英語版も作者自身の手によって制作され、「MANGA Plus」や「Shonen Jump」で公開されています。日本の漫画では珍しい左開き形式での公開は、作者の西洋文化への造詣の深さを示しています。

作者の体調不良により、連載はたびたび休止されていますが、読者からの熱い期待に応え、現在も連載が継続されています。

物語のあらすじ

第1巻では、悪霊の襲撃からカイに助けられたクロエが、彼と主従契約を結び、ゴーストリーパーとして新たな人生を歩み始める様子が描かれています。第2巻では、クロエとカイ、ノエルの3人が共に生活し、悪霊退治の仕事を受けるようになり、アーカムバレット極東部支部の一員となります。

第3巻では、経験を積んだクロエたちが、より強力な悪霊や邪神と対峙します。商業エリアでの大規模な戦闘では、多くの仲間たちと協力し、旧支配者オスカー・クトゥルーと遭遇します。

第4巻では、クロエは世間の注目を集め、カイの過去や正体が明らかになります。アーカムバレット本部によるカイの捕縛劇、イーストイレブンとの激闘、そしてクロエとカイの絆が試される展開となっています。

主要登場人物

物語を彩る魅力的な登場人物たちは、クトゥルー神話からの着想や、他の作品からの影響が感じられる個性的なキャラクターたちです。

クロエ・ラヴ（ゴーストガール）： アラサー女優であり、霊媒体質を持つ主人公。
カイ・イォド（災厄）： クロエの使い魔であり、黄泉の国から来たゴースト。正体は邪神。
ノエル・ウルタール（魂奪者）： クロエの使い魔、猫の幽霊。
ニャルラトホテプ（這い寄る混沌）： アーカムバレット極東部局長、邪神。
ショゴス（殺戮人形）： ドクター・ウェストの使い魔、ゾンビ少女。
ウェスト： アーカムバレット極東部の幹部、死体の研究家。
* オスカー・クトゥルー： 旧支配者、邪神。

他にも、アーカムバレットのメンバーやイーストイレブンなど、個性的なキャラクターたちが物語を盛り上げます。

まとめ

『GHOST GIRL ゴーストガール』は、クトゥルー神話と現代社会を融合させた斬新な世界観、魅力的なキャラクターたち、そして予測不能な展開が魅力の作品です。魔法少女、アクション、コメディ、そしてダークファンタジーといった様々な要素が複雑に絡み合い、唯一無二の物語を生み出しています。今後の展開にも大いに期待しましょう。

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