GOLDEN J-POP/THE BEST キャンディーズ

『GOLDEN J-POP/THE BEST キャンディーズ』は、1970年代に日本の音楽シーンで絶大な人気を博した女性アイドルグループ、キャンディーズの集大成ともいえるベスト・アルバムです。1997年11月21日にSMEJからリリースされ、規格品番はSRCL-4119/20としています。本盤は、同レーベルが展開する「GOLDEN J-POP/THE BEST」シリーズの一つとして企画された2枚組のCD-DAです。

このベストアルバムは、キャンディーズの豊かな音楽キャリアを多角的に捉える選曲がなされています。Disc 1には、グループが精力的に活動を行っていた期間に発表されたすべてのシングル表題曲が、リリース順に余すところなく収録されています。これにより、彼らのヒット曲の変遷を辿ることができます。さらに特筆すべき点として、解散後にレコード会社からシングルとして発売された楽曲「つばさ」や、1973年12月5日にリリースされたデビューアルバム『あなたに夢中〜内気なキャンディーズ〜』に収められていた、グループの始まりを告げる自己紹介ソング「キャンディーズ」も特別に追加収録されており、彼らの軌跡を網羅する意図が感じられます。

一方、Disc 2は、本ベスト盤が発売された時点で、まだ十分にCDとして流通していなかったスタジオ・アルバムに収録されていた楽曲や、ファン垂涎のライブ音源、そしてシングルのB面曲を中心に構成されています。特に、1978年3月21日発売のラストアルバム『早春譜』から、メンバーである伊藤蘭田中好子藤村美樹の3人が作詞・作曲を手がけた楽曲が複数選ばれており、アイドルの枠を超えた彼女たちの音楽的才能にも光を当てています。ライブ音源としては、1975年12月21日発売のライブアルバム『Candies' Carnival For 10,000 People』からのトラックが収録されています。シングルのカップリング曲としては、「やさしい悪魔」のB面「あなたのイエスタディ」や、「暑中お見舞い申し上げます」のB面「オレンジの海」などが収められており、ヒット曲の裏に隠された魅力的な楽曲を楽しむことができます。Disc 2の選曲により、ヒット曲だけでなく、アルバム未収録やライブでのパフォーマンス、シングルB面曲など、キャンディーズの多様な音楽性を深く掘り下げて聴くことが可能です。

音源に関しては、高音質化への配慮がなされています。ソニー独自の技術であるSBM(Super Bit Mapping)フォーマットによるリマスタリングが施されており、これにより原音に忠実でクリアなサウンドを実現しています。このSBM技術に関する詳細な説明は、付属する歌詞ブックレットの巻末や、CDの帯にも記載されており、当時のリスナーに高音質をアピールしていました。

付属の歌詞ブックレットも、ファンにとって嬉しい工夫が凝らされています。ブックレットの表紙と裏表紙には、それぞれ36分割されたマスの中にメンバーの写真が配置された、ユニークなデザインが採用されています。ブックレットの内側にも、2ページにわたってメンバーのフォトが掲載されており、視覚的にも楽しめます。歌詞のページは、ピンク色の地に白抜きの文字で統一されており、キャンディーズらしいキュートな雰囲気を演出しています。

『GOLDEN J-POP/THE BEST キャンディーズ』は、彼らの代表曲から、アルバムやライブ、B面でしか聴けなかった貴重な音源までを網羅した、まさに「ベスト」の名にふさわしい内容となっています。1970年代のアイドルシーンを象徴するキャンディーズの音楽的な魅力と、時代を超えて愛される楽曲群を、高品位なサウンドで堪能できる一枚として、今なお多くの音楽ファンに聴き継がれています。

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