GOLDEN☆BEST 尾崎紀世彦 サマー・ラブ

GOLDEN☆BEST 尾崎紀世彦 サマー・ラブ

『GOLDEN☆BEST 尾崎紀世彦 サマー・ラブ』は、日本を代表する歌手、尾崎紀世彦の軌跡を辿るベストアルバムとして、2012年8月22日にソニー・ミュージックダイレクトからリリースされました。この作品は、ソニー・ミュージックが手掛ける人気シリーズ「ゴールデン☆ベスト」の一枚として位置づけられています。規格品番はMHCL-2115です。

このベストアルバムの大きな特徴は、尾崎紀世彦が様々なレコード会社から発表した音源を、レーベルの垣根を越えて集めている点にあります。収録された楽曲は、1975年から1987年までの期間に発表されたものの中から選ばれています。基本となっているのは、1987年9月2日に発売されたスタジオアルバム『Memories of Summer Love』（28AH-2224）です。このオリジナル盤から、インストゥルメンタル楽曲を除いた9曲が本作に収められています。

さらに、ビクターエンタテインメント、日本コロムビア、日音、ポリスターといった他社からリリースされたシングル盤や企画盤に収録されていた楽曲も多数セレクトされています。これにより、特定のレーベルに限定されない、より包括的な選曲が実現しました。加えて、1992年3月25日発売の『佐々木勉メモリアル〜いつまでもいつまでも〜』（SRCL-2322）に収録されていた2曲が、ボーナス・トラックとして追加されています。

このアルバムで特に注目すべき点は、いくつかの貴重な音源が初めてCD-DAフォーマット化されたことです。「愛の追跡」「明日への扉」「忘れかけた愛を」「星の王子さま」「哀しみの追跡」「責めないで」の計6曲は、本作が初のCD化となりました。長年CD化を待ち望まれていたファンにとって、これらの楽曲がクリアな音質で楽しめるようになったことは大きな意義があります。

付属の歌詞ブックレットも充実しており、尾崎紀世彦ワールド研究室の高橋久美氏による、5ページにわたる追悼の文章が掲載されています。これは単なる楽曲集としてだけでなく、尾崎紀世彦というアーティストを深く知る上でも価値のある内容と言えるでしょう。

収録された楽曲は以下の通りです。

1. サマー・ラブ
作詞:なかにし礼 作曲・編曲:井上大輔, 前田憲男 (4分02秒)
2. 愛は奇蹟
作詞:なかにし礼 作曲・編曲:井上大輔, 前田憲男 (4分02秒)
3. サンシャイン・ラバー
作詞:橋本淳 作曲:井上大輔 編曲:Jimmie Haskell (4分04秒)
4. 別れて愛して
作詞:岩谷時子 作曲:馬飼野康二 編曲:Jimmie Haskell (3分34秒)
5. 夜明けの恋人
作詞:岩谷時子 作曲:馬飼野康二 編曲:Jimmie Haskell (4分01秒)
6. マリア
作詞:橋本淳 作曲:井上大輔 編曲:Jimmie Haskell (4分05秒)
7. Love Affair
作詞:三浦徳子 作曲:芹澤廣明 編曲:Jimmie Haskell (3分26秒)
8. だけど愛は
作詞:三浦徳子 作曲:芹澤廣明 編曲:Jimmie Haskell (3分43秒)
9. Tonight さよなら
作詞:三浦徳子 作曲:芹澤廣明 編曲:Jimmie Haskell (4分41秒)
10. 忘れかけた愛を
作詞:阿久悠 作曲・編曲:川口真 (2分55秒)
11. 星の王子さま
作詞:Frederick Loewe 作曲:Alean Jay Lerner 日本語詞:山口洋子 編曲:前田憲男 (2分54秒)
12. 哀しみの追跡
作詞:阿久悠 作曲:井上忠夫 編曲:萩田光雄 (3分16秒)
13. 責めないで
作詞・作曲:Roger Bowling・Freddie Hart 日本語詞:なかにし礼 編曲:神保正明 (3分52秒)
14. My Better Life
作詞:山川啓介 作曲・編曲:大野雄二 (3分35秒)
15. 明日への扉
作詞・作曲:Bob Morrison・Johnny Wilson・Robert Morrison 日本語詞:山川啓介 編曲:信田かずお (3分10秒)
16. サングリア -真昼の夢-
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:萩田光雄 (3分35秒)
17. 愛の追跡
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:川村栄二 (4分31秒)
18. 愛だけあれば
作詞:高見信吾 作曲:小田裕一郎 編曲:笹路正徳 (4分43秒) - 尾崎紀世彦&三浦秀美
19. あなたのすべてを
作詞・作曲:佐々木勉 編曲:ATOM (4分23秒)
20. まわり道 -めぐり愛-
作詞・作曲:佐々木勉 編曲:前田憲男 (3分56秒)

このベストアルバムは、尾崎紀世彦の多彩な音楽性を、レーベルの制約なく幅広く楽しむことができる貴重な一枚と言えるでしょう。特に、これまでCDで聴く機会が少なかった楽曲が多数含まれている点で、ファンならずとも注目の作品です。

※注釈：各楽曲の年代・レーベル情報は以下の通りです。（M=曲番号）

• - M-10,11: 1975年 (ビクターエンタテインメント)
• - M-12,13: 1976年 (ビクターエンタテインメント)
• - M-14: 1979年 (日本コロムビア)
• - M-15: 1980年 (日本コロムビア)
• - M-16,17: 1982年 (日音)
• - M-18: 1986年 (ポリスター)
• - M-1〜M-9: 1987年 (ソニーミュージック)
• - M-19,M-20: 1992年 (ソニーミュージック)

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