H&K HK45

H&K HK45: ドイツ製の自動拳銃

H&K HK45は、ヘッケラー＆コッホ社（Heckler & Koch GmbH）によって2006年に発表された自動拳銃です。このモデルは、アメリカ軍のSOCOM向けに開発されたパラダイムで、ベレッタM9の後継拳銃としての試験に名を連ねました。H&Kシリーズの中でも、特にUSPの後継版として位置付けられています。

開発背景

HK45の開発は、2005年に始まりました。アメリカ軍のベレッタM9に代わる新たな拳銃として、H&K P30をベースにして設計されました。プロジェクトには、元デルタフォース隊員であるラリー・ヴィッカース氏とタクティカルトレーナーのケン・ハッカーソン氏が関与し、彼らの専門的な知見が大いに活かされています。目指したのは、デューティーピストルとしての性能向上であり、特にH&K MARK 23の弱点を克服することでした。しかし、2006年に試験が白紙になったため、正式に採用されることはありませんでした。

その後、H&K社は2007年のショットショーでHK45を発表し、同時に小型版のHK45Cも開発しました。現在では、軍隊や法執行機関だけでなく、一般向けにも販売されています。特に2011年には、アメリカ海軍特殊戦コマンドがHK45TをMk 24 Mod 0として正式に採用しています。

仕様と特徴

HK45は、スライドやグリップのデザインにおいて、前作のUSPやMK23と比較して特徴的な形状を持っています。スライドは角が取れたスマートな印象で、フロントセレーションが施されています。また、フィンガーチャンネルが採用されたグリップは、握りやすさを考慮し、なおかつバックストラップの交換も可能です。これにより、使用者の手に合ったフィット感が得られます。グリップパネルは上下に分けられたチェッカリングが施されており、握りやすさを向上させています。

マガジンは金属製で、装弾数は10発です。スライドリリースレバーやマガジンキャッチレバーは、両手操作が可能なアンビデクストラウス仕様となっています。さらに、アンダーマウントレールもピカティニー・レールに変更され、幅広いアクセサリの取り付けが可能です。

トリガーに関しては、USPタクティカルと同様のトリガーストップは無く、デザインは多少の違和感があるかもしれません。しかし、全体的には操作性が向上し、信頼性の高い銃に仕上がっています。

バリエーション

HK45にはいくつかのバリエーションがあります。

• - HK45: 基本モデル。
• - HK45C: 小型版で、重量は717g、全長は183mmに抑えられています。
• - HK45T: 軍用向けのモデルで、サプレッサー取り付け用のネジ切りバレルやハイターゲティングサイトを装備。
• - HK45CT: HK45Tの小型バージョンです。

最初に開発されたHK45は、その設計として.45ACP弾のみがラインナップされており、特に北米市場向けに優れた止め撃ち力（マンストッピングパワー）を意識しています。これにより、HK45は多くの場面で信頼性の高い選択肢として重宝されています。

関連項目

HK45は他のH&K製品と共にしばしば取り上げられ、H&K USPやH&K P2000、H&K P30、H&K VP9、そしてH&K MARK 23などと関連しています。これらの銃器も、それぞれ独自の特長を持ち、銃器の最前線で活躍しています。

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