HARVEST SINGLES 1985-1992

米米CLUBの『HARVEST SINGLES 1985-1992』は、1985年から1992年までのシングル曲を集めたベストアルバムです。グループ解散後にリリースされ、長年のファンにとっては待望の作品と言えるでしょう。このアルバムには、初期の米米CLUBを代表する数々のヒット曲が収録されており、彼らの音楽的な変遷を辿る上でも非常に貴重な一枚となっています。

収録曲は、「I・CAN・BE」から始まり、「Shake Hip!」、「加油 (GAYU)」、「Paradise（シングル・バージョン）」、「sûre danse」、「KOME KOME WAR」、「TIME STOP」、「FUNK FUJIYAMA（アルバム・バージョン）」、「浪漫飛行」、「ひとすじになれない」、「ORION」、そして「嫁津波（初収録）」まで、全12曲。これらの楽曲は、米米CLUBのメンバー自身が作詞・作曲を手掛けていますが、編曲には中村哲、中崎英也、有賀啓雄、萩原健太、奈良部匠平といった、当時の音楽シーンを代表するアレンジャーたちが参加しており、それぞれの楽曲に独自の彩りを加えています。

特に注目すべきは、「嫁津波」が初CD化されたという点です。この曲は山田実とトップ・ゴージャス名義で発表された楽曲で、これまでCDで聴くことができなかった貴重な音源です。また、マスタリングは、世界的に有名なエンジニアであるテッド・ジェンセンが担当しており、CDの音質を最大限に引き出すことに成功しています。これにより、米米CLUBの楽曲が持つ本来の魅力が、より一層際立っていると言えるでしょう。

ただし、このアルバムには、シングルとしてリリースされた「君がいるだけで」は収録されていません。この楽曲は、続編となる『HARVEST SINGLES 1992-1997』に収録されています。また、「愛してる」も未収録となっています。これらの点は、アルバムを選ぶ際に注意が必要です。しかし、それらの点を考慮しても、『HARVEST SINGLES 1985-1992』は、米米CLUBの初期の楽曲を網羅的に楽しめる、非常に価値の高いベストアルバムと言えるでしょう。彼らの音楽活動の初期を振り返る上で、また、米米CLUBのファンであれば、ぜひ手元に置いておきたい一枚です。

収録されている楽曲は、それぞれが当時の音楽シーンを象徴するような、個性的なサウンドを持っています。ファンク、ロック、ポップスなど、さまざまなジャンルの音楽を取り入れ、独自のスタイルを確立した米米CLUBの魅力が、このアルバムには凝縮されています。彼らの音楽を初めて聴くという人にとっても、入門編として最適でしょう。また、過去に彼らの音楽を聴いていたという人にとっては、懐かしさを感じながら、改めてその魅力を再確認できる機会となるでしょう。

アルバム全体を通して、米米CLUBの音楽に対する情熱と、彼らの卓越した音楽的センスを感じることができます。このアルバムは、単なるベストアルバムという枠を超え、彼らの音楽史における重要な作品の一つとして、長く愛され続けることでしょう。

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