ハインケル He 45(Heinkel He 45)
ハインケル He 45は、
1930年代初頭に
ドイツで製造された軽
爆撃機で、新設された
ドイツ空軍においても初期の
航空機のひとつでした。本機は従来の
複葉機と同じ形状を持ち、パイロットと銃手が開放式のコックピットに
タンデムで配置されています。He 45はHe 46と並行して開発され、
1931年に多目的
複葉機として登場しましたが、主に訓練機として利用されていました。ただし、
ドイツ空軍では
偵察機や軽
爆撃機としても広く使用されました。
この機体は名の知られたゴータ社、
フォッケウルフ社、BFW社による
ライセンス生産を含む512機が生産されました。これにより、He 45は
ドイツの
航空機の歴史において重要な位置を占めました。
派生型
ハインケル He 45にはいくつかの派生型があります。以下に主な型を紹介します。
- - He 45a: BMW VI 7,3Zエンジンを搭載した最初の試作機です。
- - He 45b: 4枚ブレードのプロペラを装着した試作2号機。
- - He 45c: 1丁の前方固定7.92mm MG 17機関銃と後席の7.92mm MG 15機関銃を装備した試作3号機。
- - He 45A: 初期の量産型。
- - He 45A-1: 練習機型。
- - He 45A-2: 偵察機型。
- - He 45B: 改良された量産型。
- - He 45B-1: 1丁の7.92mm機関銃で武装した偵察機型。
- - He 45B-2: 100kgの爆弾を搭載できるモデル。
- - He 45C: He 45cの量産型。
- - He 45D: He 45Cに似た小改良型。
- - He 61: 492kWのBMW VIエンジンを搭載し、中華民国向けの偵察機型。
運用
ハインケル He 45は、さまざまな国で運用されました。特に、ブルガリア、公国、中華民国、
ドイツおよびハンガリーなどの国々で使用されました。ハンガリー王国の王立ハンガリー
空軍では1機のHe 45Cが運用されており、また、スペイン
空軍でも運用されていた事例があります。
要目(He 45C)
- - 乗員: 2名
- - 全長: 10.60 m
- - 全高: 3.60 m
- - 翼幅: 11.50 m
- - 翼面積: 34.60 m²
- - 空虚重量: 2,110 kg
- - 運用時重量: 2,751 kg
- - 最大離陸重量: 情報なし
- - 動力: BMW VI 液冷V型12気筒エンジン(560 kW)
性能
- - 最大速度: 290 km/h(157 kt、海面高度)
- - 巡航速度: 221 km/h(119 kt)
- - 航続距離: 1,200 km
- - 実用上昇限度: 5,500 m
- - 武装: 1丁の7.92 mm MG 17機関銃および1丁の7.92 mm MG 15機関銃、さらに最大で300 kgの爆弾を搭載可能。
ハインケル He 45は、その特異な設計と構造によって、歴史の中で重要な役割を果たした
航空機であり、技術の進化を体現するものでした。