He 50 (航空機)

He 50: ハインケル社製の爆撃機

He 50は、ドイツの航空機メーカーであるハインケル社によって製造された単発爆撃機で、主に第一次世界大戦と第二次世界大戦の間にドイツ空軍で使用されました。この機体は、元々は日本海軍からの発注で開発されたもので、水上及び陸上での運用が可能な急降下爆撃機として設計されました。

開発背景

1931年、日本海軍はハインケル社に対して、250kgの爆弾を搭載できる水上および陸上用の急降下爆撃機の設計を依頼しました。ハインケル社は、同年の夏に試作1号機を完成させましたが、その性能を見たドイツ国防省が興味を示し、さらに3機の増加試作機の製造を要求しました。

これらの増加試作機は、650馬力の空冷エンジンを搭載し、金属製の3枚プロペラを用いる羽布張りの複葉機でした。最大500kgの爆薬を搭載でき、テストの結果は非常に良好でした。これにより、1933年には約60機が制式採用されて生産されました。また、エンジンにカウリングを追加するなどの改良型も若干数生産されました。

略歴と運用

He 50は、ドイツ空軍初の制式急降下爆撃機として位置づけられましたが、基本的な設計は時代遅れであり、HS 123やJu 87といった新型機が登場するとすぐに第一線部隊から外され、訓練用の機体へと変更されました。しかし、第二次世界大戦期の東部戦線では、夜間の爆撃任務に再び起用され、1943年の春から1944年の夏まで現役で使用されました。

輸出型：He 66

日本海軍向けに製造されたHe 50の最初の試作機は双フロートを装備した水上機でしたが、エンジンパワーが不足しており、操縦も不安定でした。そのため、この機体はテスト中に事故を起こし大破しました。次に製造された陸上型の2号機はエンジンが強化され、さらに改良を加えた3号機が輸出用のHe 66として完成しました。このモデルは日本にも輸出され、艦上で運用するために九四式艦上爆撃機へと改修されました。また、中国国民党軍向けにも24機が輸出されました。

スペック

• - 全長: 9.60 m
• - 全幅: 11.50 m
• - 全高: 4.40 m
• - 全備重量: 2,620 kg
• - エンジン: BMW ブラモ SAM22B 650 hp × 1
• - 最大速度: 235 km/h
• - 上限高度: 6,400 m
• - 航続距離: 600 km
• - 武装: 7.92mmMG 15 機関銃 × 2、500 kg 爆弾
• - 乗員: 2名

参考リンク

• - [爆撃機一覧]
• - [九四式艦上爆撃機]
• - [Virtual Aircraft Museum]

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