IMac (インテルベース)

Intel CPU搭載iMacの歴史

2006年 1月、AppleはPowerPCからIntel CPUへの移行を発表し、その最初の製品としてIntel Core Duoを搭載したiMacが登場しました。このモデルは外観こそiMac G5と大きな変化はありませんでしたが、内部構造は大きく異なり、Intel CPUを搭載した初のiMacとして、その後のiMacの進化を決定づける重要なモデルとなりました。

Intel CPU搭載iMacの概要

初期のiMac

初代のIntel iMacは、外観はiMac G5を踏襲していましたが、ロジックボードや内部アーキテクチャはPowerPC版とは全く異なるものでした。2009年モデルからMid 2014モデルにかけては、Macのディスプレイとして利用できる「ターゲットディスプレイモード」が搭載され、Mac Pro Late 2013の欠点を補う役割も果たしました。また、Late 2014以降のモデルでは、Retinaディスプレイが採用され、プロフェッショナル分野でもiMacが広く普及しました。しかし、当時のiMacは4コアCPUが主流であったため、プロフェッショナル業務には処理能力が不足する場面もあり、2017年にはプロ向けのiMac Proが発売されることとなりました。

デザインと機能の変遷

Intel CPU搭載iMacは、その発売以降、様々な進化を遂げてきました。2006年9月にはIntel Core 2 Duoを搭載したモデルが登場し、17インチから24インチまでの4機種がラインナップされました。2007年8月には、外装がポリカーボネートからアルミニウムとガラスに変更され、薄型化が図られました。これにより、本体カラーもホワイトからシルバーへと変更されました。2009年3月には、スタンドのデザインが変更され、DDR3メモリが採用されました。また、2009年10月には、外装が大幅に刷新され、背面がアルミニウム製となり、ディスプレイもLEDバックライトのIPS方式に変更されました。このモデルから、アスペクト比が16:9となり、Mini DisplayPortが搭載され、ターゲットディスプレイモードが利用可能になりました。

技術革新とRetinaディスプレイの導入

2011年5月には、Sandy BridgeマイクロアーキテクチャのCore i5とThunderboltを搭載したモデルが登場し、消費電力が削減されました。2012年10月には、光学ドライブが廃止され、筐体デザインが大幅に変更され、Fusion Driveがオプションとして選択できるようになりました。2014年10月には、27インチモデルにRetina 5Kディスプレイが搭載され、高精細な映像表現が可能になりました。2015年には、21.5インチモデルにもRetina 4Kディスプレイが搭載されました。2017年には、Kaby Lakeマイクロアーキテクチャが採用され、Thunderbolt 3が搭載されました。

Appleシリコンへの移行と終焉

2020年8月には、Apple T2チップが搭載され、Nano-textureガラスがオプションで選択できるようになりました。そして2021年4月、Apple M1チップを搭載したiMacが登場し、デザインも刷新されました。しかし、2022年3月には、Apple M1 Max/Ultraチップを搭載したMac StudioとStudio Displayの登場により、Intel CPUを搭載したiMacの販売はすべて終了しました。

歴代モデル詳細

各モデルの特徴

- iMac (Early 2006): Intel Core Duoを搭載した最初のiMac。外観はiMac G5とほぼ同じ。
- iMac (Late 2006): Intel Core 2 Duoを搭載し、性能が向上。
- iMac (Mid 2007): 外装がアルミニウムとガラスに変更され、デザインが一新。17インチモデルは廃止。
- iMac (Early 2008): FSB1,066MHz化、メモリにDDR2 PC2-6400を採用。
- iMac (Early 2009): スタンドデザインが変更され、DDR3メモリを採用。FireWire 400は非搭載に。
- iMac (Late 2009): 外装が大幅に刷新され、LEDバックライト IPS方式のディスプレイを搭載。アスペクト比が16:9に変更。
- iMac (Mid 2011): Sandy BridgeマイクロアーキテクチャのCore i5とThunderboltを搭載。
- iMac (Late 2012): 光学ドライブが廃止され、最薄部5mmと筐体デザインが大幅に変更。Fusion Driveがオプションとして選択可能。
- iMac (Late 2013): フラッシュメモリがSATA接続からPCIe接続に変更。
- iMac (Late 2014): 27インチモデルにRetina 5Kディスプレイが搭載。ターゲットディスプレイモードは廃止。
- iMac (Mid 2015): 21.5インチにRetina 4Kディスプレイを初搭載。すべての27インチモデルにRetina 5Kディスプレイを搭載。
- iMac (2017): Kaby Lakeマイクロアーキテクチャを採用。Thunderbolt 3を搭載。
- iMac (2019): Coffee LakeマイクロアーキテクチャとRadeon Pro Vegaを搭載可能。
- iMac (2020): Apple T2チップを搭載。Nano-textureガラスがオプションで選択可能。

各モデルの仕様一覧

iMacモデル一覧

まとめ

Intel CPUを搭載したiMacは、デザイン、機能、技術革新において、常に最先端を走ってきました。初期のPowerPCからIntelへの移行、Retinaディスプレイの導入、そしてAppleシリコンへの移行と、iMacの歴史は、Appleの技術革新の歴史そのものです。これらのモデルは、プロフェッショナルユーザーから一般ユーザーまで、幅広い層に支持され、その後のMacの進化に大きな影響を与えました。

脚注

(ここに脚注があれば記載)

外部リンク

- iMac - Apple（日本）

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