INSAS小銃

INSAS（インド新小火器システム）

INSAS（Indian New Small Arms System、インド新小火器システム）は、インドのアサルトライフルおよび軽機関銃です。インドの兵器廠委員会（Ordnance Factories Board, OFB）に所属するティルチラーパッリ兵器廠で製造されています。

概要

1950年代以降、インド軍はL1A1の国産モデル（1A1小銃）を採用していましたが、5.56x45mm NATO弾を使用する銃が出現したことを契機に、AK-47を基に開発・製造されました。

作動方式は、AK-47を参考にしたロングストロークピストンのガス圧作動方式ですが、マニュアル式のガスレギュレーターはFN FALを参考にしています。また、3点バースト射撃にも対応しています。コッキングハンドルは、AK-47のボルトキャリア右側面から、ガスチューブ左側面に移動されました。軽機関銃モデルや、2015年には最新モデルであるエクスカリバーライフルも発表されています。

しかし、インド陸軍の報告によると、INSASは銃身が膨張しやすく、部品の故障も頻発し、過酷な環境下でインド製の弾薬を使用すると給弾不良が発生するという問題がありました。

これらの欠点から、インド軍はINSASの後継として7.62mm口径のAK-203およびSIG716iを次世代の主力小銃として採用しました(AK-203は7.62x39mm弾、SIG716iは7.62x51mm NATO弾を使用)。

派生型

INSAS 1B1

INSAS 1B1は、INSASの後期生産モデルに相当する仕様です。銃床、ハンドガード、グリップが木製から黒色のポリマーに変更され、その他の欠点や不具合も改善されたとされています。

カランタク07

カランタク07は、INSASのカービン仕様です。前期型と後期型があり、どちらも銃身とガスポートが短縮されています。前期型はINSASと同様に木製の銃床、ハンドガード、グリップを備えていますが、後期型ではINSAS 1B1と同様の黒色ポリマー製に変更されています。また、マガジンの装着方法がAKタイプから差し込むだけで保持されるタイプに変更され、ハンドガード上部にはピカティニーレールが追加され、各種照準器を取り付け可能になっています。前期型・後期型ともに、折りたたみ銃床を備えた仕様も存在します。

INSAS LMG

INSAS LMGは、INSASの軽機関銃仕様です。銃身が延長され、キャリングハンドルと二脚が追加されています。折りたたみ銃床を備えた仕様も存在します。

エクスカリバーライフル

エクスカリバーライフルは、2004年に開発が開始されたINSASの代替を目的としたINSAS 1B1の近代化仕様です。レシーバー上側に外付け型のピカティニーレールを備え、各種照準器を取り付けることができます。標準で折りたたみ銃床を備え、より扱いやすいデザインの新型ハンドガードが採用されています。

MINSAS

MINSASは、INSASのPDW（Personal Defense Weapon）仕様です。5.56×30mm弾という専用弾薬を使用し、INSASと同様に木製の銃床、ハンドガード、グリップを備え、AKMSのアンダーフォールディングストックを備えています。セレクターはAKタイプの大型のものに変更され、フォアグリップ付きの独特な形状のハンドガードを取り付けた仕様も存在します。

アモグカービン

アモグカービンは、MINSASの最新モデルです。短縮されたエクスカリバーライフルのハンドガード、エクスカリバーライフルの折りたたみ銃床、ポリマー製のグリップとハンドガード下部、そしてレシーバー上部にピカティニーレールを備えており、フォアグリップや照準器を取り付けることができます。初期型はピカティニーレールがなく、銃床がMINSASと同じAKMSのアンダーフォールディングストックでした。

採用国

ブータン
インド
ネパール
オマーン
エスワティニ

脚注

外部リンク

Ordnance Factory Board (Product list)

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