ISO/IEC 646

ISO/IEC 646: 7ビット文字コードの国際標準規格

ISO'>[I]]SO/IEC 646は、7ビットの文字コードを規定する国際標準化機構]の規格です。この規格は、[[アメリカ合衆国のASCIIを国際標準に準拠した形で制定されたものです。

ISO/IEC 646は、主にラテンアルファベット（ISO基本ラテンアルファベット）と数字で構成される共通部分と、各国で自由に文字を割り当てられる領域から成り立っています。特にヨーロッパ諸国では、後者の領域にアクセント記号などの文字を割り当てることで、それぞれの言語を符号化できるようになっています。

しかし、現在では8ビットコードであるISO/IEC 8859がヨーロッパで広く使われており、ISO/IEC 646はそれほど使用されていません。興味深いことに、UnicodeのISO規格であるISO/IEC 10646の規格番号は、ISO/IEC 646の番号に10000を加えた値になっています。このことは、ISO/IEC 646がUnicodeの基礎を築く上で重要な役割を果たしたことを示唆しています。

歴史

ISO/IEC 646の規格化は、1962年にISOの技術委員会97（電子計算機と情報処理）の下に設置された専門ワークグループB（後にISO/TC 97/SC 2と改称）によって開始されました。当初は6ビットと7ビットの符号案が作成され、投票の結果、7ビット案が採択されました。

この初期の7ビット案は、現在のISO/IEC 646とは異なり、小文字が未定義であったり、制御符号の数が多かったりといった違いがありました。その後、幾度かの改訂を経て、小文字や様々な記号が追加され、ヨーロッパ各国で使用されるアクセント記号や通貨記号の割り当てについて議論が重ねられました。

1967年には、ECMA（欧州計算機製造業者協会）がISOの7ビットコードの最終案をECMA-6規格として制定し、同年、ISOはISO R 646を勧告しました。さらに1973年にはISO 646が改訂され、2つの表が制定されました。1つは基本的なコード表（BCT）で、もう1つは国際基準版（IRV）です。IRV版はASCIIと異なる部分もありましたが、1991年の改訂でASCIIと完全に一致するようになりました。

各国の規格

ISO/IEC 646は国際標準規格ですが、各国で独自に制定された国家規格も存在します。これらの規格では、各国語の文字を表現するために、ISO/IEC 646の自由領域に異なる文字が割り当てられています。

例えば、ギリシャ語、キリル文字、ヘブライ文字、アラビア文字などを扱うための規格がそれぞれ存在し、それぞれの規格では、ISO/IEC 646のラテン文字領域に各国固有の文字が割り当てられています。これらの規格は、ISO/IEC 646を基盤としつつも、それぞれの言語の文字体系に適合するように拡張されている点が特徴です。

ISO/IEC 646とUnicode

ISO/IEC 646は、現代のUnicodeのような多言語対応を目的とした文字コードではありませんでしたが、その設計思想や規格化の過程は、後のUnicodeの開発に影響を与えました。実際、UnicodeのISO規格であるISO/IEC 10646は、ISO/IEC 646と密接な関係があり、規格番号からもその繋がりを読み取ることができます。

ISO/IEC 646は、コンピュータの歴史において重要な役割を果たした文字コード規格であり、現代の文字コード体系の礎を築いたと言えるでしょう。その歴史と各国における独自拡張は、文字コードの進化を理解する上で貴重な知見となります。

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