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JELLY：日本のパンクシーンを駆け抜けたバンドの物語

1994年、名古屋で結成されたヴィジュアル系バンド「DELAY」が、JELLY（ゼリー）というパンクロックバンドへと進化を遂げる。1998年、東京進出を果たした彼らは、清春（黒夢、SADS）のプロデュースの下、自主レーベルからインディーズデビュー。衝撃的なパフォーマンスで注目を集め、翌年にはメジャーデビューを果たす。

初期のJELLYは、勢いのあるメロディックパンクロックと、パンクファッションを象徴するスタイルで人気を博した。東名阪ツアーや全国ツアーをソールドアウトさせるなど、瞬く間に人気バンドへと成長していく。しかし、2ndアルバム『NO NEED』において、彼らは音楽性の転換を試みる。流行に捉われないミディアムテンポの楽曲に挑戦し、表現の幅を広げた。この変化は、バンドの進化を示す重要な転換期であったと言えるだろう。

2002年、移籍したレコード会社で3rdアルバム『KISS MY WAY』をリリースするが、ボーカルのヤフミの負傷とレコード会社との契約解消により活動休止に追い込まれる。しかし、2004年、ヤフミは自らレーベル「VELVET SNOOZER」を設立。復活ツアーを行い、バンドの再始動を宣言する。

2008年、メンバーの逮捕をきっかけにJELLYは解散。しかし、その活動はここで終止符を打ったわけではなかった。メンバーはそれぞれ新たな道を歩み始める。ヤフミ、カズキ、ユウタロウはLAID BACK OCEANを結成し、ユウタロウはその後SADSに加入するなど、音楽活動を継続。

そして2019年、メジャーデビュー20周年を記念し、ヤフミを中心としたJELLYの再活動が発表される。サポートメンバーと共に復活ライブを行い、ミニアルバム『＋×（プラスタイムス）』をリリースするなど、精力的な活動を見せる。クラウドファンディングも成功させ、南アフリカでのライブも敢行。しかし、新型コロナウィルスの影響もあり、活動は一時中断、その後無期限延期となる。

バンド名「JELLY」は、コンドームを意味し、『761』という表記も用いられる。メンバーの生活スタイルも独特で、東京進出後はメンバー同士が同居しており、起床時にメンバーの奇抜なヘアスタイルに驚くというエピソードも残っている。

ドラムのコーヘイは、メンバーのヘアスタイリストも務めており、アルバムのクレジットにも美容室名が記載されている。清春はJELLYのプロデュースに携わったとされるが、本人は「名前を貸しただけ」と発言しているものの、SADSの楽曲にはJELLYのメンバーがバックコーラスとして参加するなど、両バンドの間には深い繋がりがあったことがうかがえる。

楽曲「Freedom will be there」はヤフミの事故と入院生活を反映した歌詞となっており、シングル「心臓e.p」の販売方法をめぐっては、オークションでの高額取引を憂慮し、公式販売を行うなど、ファンのことを第一に考える姿勢が見られた。

JELLYは、音楽性、パフォーマンス、メンバー間の関係性、そして数々のエピソードを通して、日本のパンクシーンに独自の足跡を残したバンドと言えるだろう。彼らの音楽は、時代を超えて多くのファンを魅了し続けている。

作品リスト（抜粋）

プレ・シングル: JET GLASS、ROCKER
シングル: おもちゃのピストル、VOLVO PUNK E.P.、心臓e.p. ほか
オリジナルアルバム: RODEO★GANG、NO NEED、KISS MY WAY、BE SILENT FUCKIN' RIOT ほか
コンピレーション/ベスト/ライブアルバム: BAD PHILOSOPHY ほか
未発表曲: LOAN OF HAPPY

出演番組（抜粋）

AX MUSIC FACTORY
ミュージックステーション
ポップジャム
BLITZ INDEX
BREAK OUT
* Melodix!

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