JR貨物チキ5500形貨車

JR貨物チキ5500形貨車について

JR貨物チキ5500形貨車は1992年度に製造された、日本貨物鉄道（JR貨物）の専用私有貨車です。主にロングレールの輸送に用いられ、最大積載荷重は37トンとなっています。この貨車は、日鉄物流八幡が所有しており、その特性から様々な現場で活躍しています。以下では、この車両の構造や各形式について詳述します。

概要

かつて国鉄時代から行われていたレール輸送は、国鉄の分割民営化後、JR各社の通常貨物として扱われるようになりました。チキ5500形は、こうした環境の中で、レール輸送の効率化を図るために1992年度に登場しました。この形式の貨車は、3両1編成で50メートルのレールを運搬可能であり、各現場では210メートル以上のレールを溶接して使用しています。

レールメーカーである新日鉄住金（現・日本製鉄）は、2014年4月には150メートルのレール製造設備を整備し、これに対応するために新たな車両設計を行い、チキ5400形およびチキ5450形も2機種の増備が行われました。

構造

チキ5500形の台枠は、コンテナ車と同様に側梁や枕梁などを溶接組立した構造で成り立っています。台車にはコキ100系と共通のFT1形が装備され、車輪の径は860mmで設計されています。ブレーキシステムには、請負条件に応じた応荷重式の空気ブレーキを採用しており、最高速度は95 km/hです。手ブレーキハンドルは、車体側面に配置され、牽引する機関車による留置ブレーキ操作が可能です。

また、各車両は黄緑色で塗装され、50メートルレール用と150メートルレール用の違いにより、注意書きが側面に記されています。レールを積載するための仕組みとして、様々な配置のレール滑り台や締結具が取り付けられています。

形式別概説

チキ5500形

チキ5500形は、1992年に6両が製造され、全長は18,150mmです。荷重は37トンで、3両編成で50mレールを効率的に運べるよう設計されています。2011年からの再増備により、台車はFT1F形に変更され、現在では21両が在籍しています。

チキ5400形

2013年度に登場したチキ5400形は、チキ5500形の両端に連結する設計であり、9両編成に対応しています。全長は15,000mmで、空車時の特性を考慮した2段枕ばねの台車を採用しています。

チキ5450形

同じく2013年度に登場したチキ5450形は、チキ5500形の中間に連結される形態で、全長は15,000mmとチキ5400形と同様です。こちらもFT1G台車を装備し、レールの安定した運搬を実現します。

運用

チキ5500形は長年に渡って、黒崎駅から西浜松駅間で運用されてきましたが、2014年に150mロングレールの営業が開始されました。その後、越中島貨物駅への運用も始まり、特に北海道新幹線延伸用のロングレール輸送にも利用されています。これにより、北海道でも初めて青函トンネルを通過する運用が実現されました。

まとめ

このように、JR貨物チキ5500形貨車は、日本国内の鉄道貨物輸送において重要な役割を担う専門的な車両です。様々な設計技術が施されたこの貨車は、今後とも効果的な物流の一翼を担うことでしょう。

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