KAITA EPITAPH 残照館

KAITA EPITAPH 残照館は、長野県上田市前山に位置する美術館です。この美術館は、かつて「信濃デッサン館」として知られていました。1979年、館主である窪島誠一郎氏によって信濃デッサン館は設立され、村山槐多の代表作「尿する裸僧」をはじめ、関根正二、野田英夫、戸張孤雁、靉光、松本俊介、小熊秀雄など、夭折した画家たちの作品約1000点を所蔵していました。館内には喫茶室も併設され、美術愛好家にとって憩いの場となっていました。

1997年には、分館として戦没画学生慰霊美術館「無言館」が開館しました。さらに2012年には、館内に立原道造記念展示室が新設されるなど、美術館としての活動は充実していました。しかし、2015年末に窪島館主が病に倒れ、体調の不安や来館者の減少による財政的な問題から、2館の運営が困難となりました。

その結果、無言館は存続されることになり、信濃デッサン館本館および別館「槐多庵」は、2018年3月15日をもって無期限休館となりました。突然の休館を受け、同年7月25日から8月20日まで特別開館が行われましたが、信濃デッサン館単独での美術館活動再開は困難な状況でした。収蔵作品や建物の今後の取り扱いも未定となり、窪島館主は所蔵品の売却にも言及しました。

信濃デッサン館の閉館後、窪島氏はコレクションの喪失に大きな悲しみを感じ、その後の入院生活の中でギャラリーの再開を決意しました。村山槐多の墓碑銘、そして自身の老いに対する感傷から、館名を「KAITA EPITAPH 残照館」と改め、2020年6月6日に再オープンしました。

現在、KAITA EPITAPH 残照館は、一般財団法人戦没画学生慰霊美術館無言館によって運営されており、毎週土曜日、日曜日、月曜日の午前11時から午後4時まで開館しています。入館料は無料です。

収蔵作品としては、村山槐多の作品を中心に、立原道造や靉光の作品も含まれており、今後も拡充が予定されています。展示作品としては、エゴン・シーレ、浜田知明、金山康喜、鶴岡政男、ミニオ・パルウエルロ・シルヴィア保田、舟越保武、吉岡憲、浅埜水貴、木下晋らの作品が展示されています。

関連施設として、信濃デッサン館別館「槐多庵」（無期限休館中）と無言館があります。また、槐多庵付近には「俳句弾圧不忘の碑」が建てられています。

KAITA EPITAPH 残照館は、夭折の画家たちの魂が宿る場所として、訪れる人々に深い感動を与え続けています。

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