KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、株式会社KDDIの子会社であり、通信技術の研究開発を担う重要な機関です。

歴史

その歴史は、1953年に国際電信電話株式会社（KDD）の研究部門として発足したことに始まります。当時の日本電信電話公社研究所から国際通信に関する部門が分離され、KDDの「研究部」として設立されました。この研究部が、現在のKDDI総合研究所の前身にあたります。設立当初から、国際通信に関する研究に注力し、特に衛星通信や海底ケーブルなどの分野で強みを発揮しました。

研究所の所在地は、埼玉県ふじみ野市にあり、かつて国際電気通信福岡受信所（国際電信の受信所）があった場所です。この場所は、日本の国際通信の歴史を象徴する場所の一つと言えるでしょう。

1998年には、KDDの組織改編に伴い、株式会社KDD研究所として子会社化されました。その後、2000年に親会社のKDDが第二電電（DDI）と合併し、KDDIが誕生しました。この合併に伴い、2001年にDDI傘下の株式会社京セラDDI未来通信研究所と合併し、株式会社KDDI研究所となりました。さらに、出資比率の調整のためトヨタ自動車に対する第三者割当増資を行い、現在の体制が確立されました。

2016年10月1日には、株式会社KDDI総研を吸収合併し、株式会社KDDI研究所から株式会社KDDI総合研究所に商号変更しました。

研究分野

KDDI総合研究所は、その長い歴史の中で、様々な研究分野で成果を上げてきました。特に、初期から強みを持つ衛星通信や海底ケーブルに関する研究は、国内外の通信インフラの発展に大きく貢献しています。近年では、AI（人工知能）、IoT（モノのインターネット）、5G/6Gなどの最先端技術の研究にも注力しており、次世代の通信技術やサービス開発を牽引しています。

主な開発技術・製品

同社が開発した技術や製品には、以下のようなものがあります。

てのりん：Android搭載スマートフォン専用のARアプリ。
KCipher-2：暗号アルゴリズム。
音のVR：インタラクティブ視聴技術。360度動画の視聴体験を向上させるスマートフォン向けアプリ。
VistaFinder Mx：遠隔地からスマホなどで撮影した映像を安全・高品質に伝送する遠隔作業支援システム。

これらの開発技術は、KDDIの通信サービスや事業を支えるだけでなく、社会全体の発展にも貢献しています。

まとめ

KDDI総合研究所は、長年にわたる研究開発の蓄積と、常に最先端技術を追求する姿勢によって、通信技術の発展に大きく貢献してきました。今後も、AIやIoTといった新たな分野での研究開発を進め、より豊かな社会の実現を目指していくことが期待されます。

外部リンク

* 株式会社KDDI総合研究所 公式ウェブサイト

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