KJ-600 (航空機)

KJ-600: 航空母艦搭載の早期警戒機

KJ-600は、西安飛機工業公司が設計・開発したターボプロップ機で、航空母艦用の早期警戒機としての役割を担っています。原型となったのは、同社のY-7輸送機であり、これを基に改良が施されています。この機体は、空母での運用を念頭に置いて設計されており、特に艦載能力が強化されています。

設計の背景

KJ-600の開発は、2005年に開始された試験機JZY-01にさかのぼります。この試験機では、航空母艦の離着艦を模擬する実施が行われ、その成果がKJ-600の設計に反映されています。2020年8月には初飛行を果たし、2024年には実用化が見込まれています。

設計のポイントには、Y-7と同様の双発ターボプロップエンジンを搭載していることが挙げられます。このエンジンは、渦槳5Eまたは渦槳6Cとされており、プロペラ自体は新型の偃月形5枚ブレードに置き換えられています。また、艦上運用に特化したデザインとして主翼の折りたたみが可能な構造が採用されています。その結果、運用現場のニーズに応じた柔軟な対応が可能となっています。

特徴的なデザイン

KJ-600の尾翼や安定板のデザインも大きく変わっており、これにより機体の安定性が強化されています。具体的には、後方胴体の上面に水平安定板を配置し、その両側に4枚の垂直安定板を設けた構造となっています。この設計は、アメリカのE-2早期警戒機にインスパイアを受けたものであり、KJ-600はY-7の印象を減少させ、E-2に類似した外観を持つようになっています。

運用の予定

KJ-600は、CATOBAR方式の新型空母「福建」での運用が計画されているほか、STOBAR方式を採用する「遼寧」や「山東」でもロケット・ブースターを使用して発艦する方法が検討されています。これにより、中国は自国の空母戦力の強化と整備を目指しています。

基本仕様

KJ-600の仕様は以下の通りです：

• - 全長: 18.14 m
• - 全高: 5.72 m
• - 翼幅: 25 m
• - 空虚重量: 25,401 kg
• - 最大離陸重量: 30,481 kg
• - 動力: ターボプロップエンジン（渦槳5Eまたは渦槳6C）
• - 出力: 3,805 kW（5,103 hp）×2

性能

KJ-600の性能は次のようになっています：

• - 最大速度: 693 km/h
• - 航続距離: 1,250 km（フェリー飛行時は2,800 km）
• - 実用上昇限度: 15,000 m

結論

KJ-600は、中国海軍の航空母艦能力の向上に寄与する重要な機体として評価されています。今後の運用開始に向け、多くの注目が集まるでしょう。

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