KOJI (ミュージシャン)

KOJI（コージ）

1973年4月12日、大阪府に生まれたKOJI氏は、日本のロックシーンでギタリスト、そして作曲家として多大な功績を残したミュージシャンです。主にヴィジュアル系バンドとして知られるLa'cryma Christi、ALvinoといった人気グループの中心メンバーとして活動し、その高い演奏技術とメロディアスな楽曲で多くのリスナーの心を掴みました。身長は180cm、血液型はA型。既婚者でした。

音楽キャリアの軌跡

KOJI氏の音楽活動は、1991年にLa'cryma Christiの前身バンドであるSTRIPPE-D-LADYを結成したことから始まります。バンドは着実に力をつけ、1997年5月8日、シングル「Ivory trees」でLa'cryma Christiとしてメジャーデビューを果たしました。彼はバンドのギタリストとして、その後の目覚ましい成功を支えることになります。

特に、La'cryma Christiが90年代後半に発表した「未来航路」、「Without you」、「永遠」、「Lime rain」といった、ポップかつドラマティックなヒットシングルは、彼の作曲によるものが多く、バンドのサウンドイメージを決定づけました。ギタリストとしてだけでなく、作曲家としても非凡な才能を発揮し、これらの楽曲は今なお多くのファンに愛されています。自身が作曲を手掛けた「未来航路」には特に強い思い入れがあったようで、La'cryma Christi脱退後もソロ活動のライブで演奏リストに入れることがありました。

2005年3月21日のライブをもってLa'cryma Christiを脱退した後も、KOJI氏は音楽への情熱を燃やし続けました。ソロでの活動期にあったPIERROTのギタリスト・潤氏と共に楽曲制作を開始。さらに、ボーカリストの翔太氏（元NIOI）と出会い、同年12月に新バンド「ALvino」を結成しました。ALvinoは2006年12月6日に1stシングル「snow line」をリリースし、新たな活動の基盤を築きました。

ALvinoでの活動と並行して、様々なミュージシャンとの交流も深めました。2008年には、THE ALFEEの高見沢俊彦氏のシングル「月姫」のミュージックビデオに参加し、その後も高見沢氏のライブやレコーディングでサポートギタリストを務めるなど、幅広いフィールドでその腕を振るいました。また、2018年には元MASCHERAのMICHI氏と共にユニット「ALICE IN MENSWEAR」を結成し、活動の幅を広げました。

特筆すべき出来事としては、2009年10月24日に開催されたV-ROCK FESTIVAL '09でのLa'cryma Christiの「一夜限り」の再結成ライブが挙げられます。このステージで彼は古巣のメンバーと再び集い、ファンを熱狂させました。このライブを機に、2010年のLa'cryma Christiツアー開催も発表されました。

音楽的影響と人物像

KOJI氏の音楽的ルーツは多岐にわたります。彼はヴァン・ヘイレンを好きなアーティストとして挙げ、その影響を公言していました。音楽自体に興味を持ったきっかけは、高見沢俊彦氏が手掛けた小泉今日子氏の楽曲やHOUND DOGであり、ギターを始める直接的な契機となったのはデイヴ・リー・ロス・バンドやLOUDNESSといったハードロックバンドでした。影響を受けたギタリストとしては、技巧派として知られるスティーヴ・ヴァイやエクストリームのヌーノ・ベッテンコートの名前を挙げており、彼のプレイにも高度なテクニックと表現力が融合されたスタイルが反映されていました。La'cryma Christi脱退後には、ジャズ音楽に傾倒していた時期もあったと語っており、常に音楽的な探求心を失わない姿勢を持っていました。

音楽以外の趣味としては、パソコンやカメラを愛好していました。プライベートについてはあまり多くを語りませんでしたが、2024年4月12日に行われた、La'cryma Christi時代の盟友であるHIRO氏との合同ライブイベント「KOJI & HIRO Joint Live 2024」にて、彼の息子であるKAZUKI氏がゲストギタリストとして登場し、その存在が初めて公になりました。息子が同じくギタリストとして活動していることは、彼の音楽的遺産が次世代に引き継がれていることを象徴する出来事と言えるでしょう。

闘病と惜しまれる逝去

2020年7月13日、KOJI氏は自身が食道がんに罹患していることを公表しました。同年の9月19日には手術が無事成功したことを報告し、一時的な回復へと向かいました。しかし、病は再び彼の身体を蝕みました。2022年2月22日、ALICE IN MENSWEARの公式サイトにて、その時点での病状が詳細に公表されました。既に2021年の時点でがんが再発し、複数の臓器へ転移している非常に厳しい状況であることが明かされ、抗がん剤の効果が限定的であることや、放射線治療で脳と胸膜の転移箇所を抑制している現状が伝えられました。

病魔と懸命に闘い続けましたが、2022年4月15日、食道がんのため、わずか49歳という若さで永眠しました。彼の突然の訃報は多くのファンや関係者に深い悲しみを与え、日本の音楽シーンから惜しまれる才能が失われました。

著書

KOJI氏は、2002年3月12日に著書「ラクリマクリスティーKOJIのフロッピー買ってください!!」を出版しています。

ギタリスト、そして作曲家として多大な貢献をしたKOJI氏の音楽は、今後も多くの人々の記憶に、そして作品の中に生き続けることでしょう。

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