KR-1 (航空機)

KR-1およびKR-2の詳細

KR-1の概要

KR-1は、日本の航空機製造会社である東京瓦斯電気工業（略称：瓦斯電）によって開発された小型旅客機で、1932年に設計が開始されました。この機体は、「神風」と呼ばれる独自のエンジンを搭載しており、特に海軍機関中佐の山下誠一が中心となって設計に関わったことで知られています。設計の基盤となったのはイギリスから輸入されたデ・ハビランド DH.83 フォックス・モスであり、これを国産化する形での開発が進みました。

初飛行は1933年12月23日に行われ、以後は日本航空輸送研究所にて定期航空便やエアタクシーとして運用されました。KR-1は合計で数機が製造され、その用途は多岐にわたりました。特に、台湾国防義会や満州国営口海辺警察隊にも配備された機体もありました。

機体の特徴

KR-1は、木製羽布張りの複葉機であり、胴体内部には小規模なキャビン型客室を持っています。また、脚装置は固定式のLanding Gearと双フロートを交換可能で、水上機としても機能しますが、波に対する安定性には課題がありました。

KR-2の開発と性能

KR-2はKR-1の改良版として1934年に初飛行し、同機体も「千鳥号」と愛称されています。初飛行は11月17日に行われ、その後、東京航空輸送社や朝鮮航空事業社で遊覧飛行やエアタクシーとして使用されました。また、読売新聞社や営口海辺警察隊にも配備され、特に後期に生産された6機は海軍に所属し、特殊な輸送任務に活用されました。

主な改善点

KR-2のエンジンはKR-1と同様のものを使用していますが、主翼の設計が全面的に見直されており、これにより空気抵抗が減少しました。結果として、速度、航続距離、搭載量が向上しました。ただし、上昇性能は若干低下し、滑走距離も長くなったという側面があります。

また、KR-2も水上機として運用可能であり、海軍用機では改良された舵面により空母での運用が可能となっています。海軍機には「LXG」との略符号が付与され、航空母艦と陸上基地間の往還に使用されました。生産は1939年に終了しています。

諸元

正確なスペックについては文献に詳しい情報が記載されていますが、主要な性能や設計についての理解を深めるためにはさらに詳細な研究が求められます。また、ＫＲシリーズに類似した機体として、陸軍小型軽患者輸送機があり、こちらは石川島飛行機がDH.83を参考にして開発したものであることも興味深い点です。

まとめ

KR-1とその改良型KR-2は、日本の航空歴史において重要な役割を果たした機体です。小型旅客機としての技術的進歩を示すだけでなく、さまざまな用途に応じた運用がなされた点でも意義があります。これらの機体は我が国の航空機製造技術の発展に寄与しただけでなく、航空輸送の進化の一端を担った存在です。

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