Kaバンド

Kaバンドとは

Kaバンドは、電磁スペクトルのマイクロ波領域において、26.5GHzから40GHzの周波数帯域を指します。これは波長で表すと、約1cm強から7.5mmに相当します。その名称は「K-above（Kの上）」の略称であり、NATOのKバンドの上位に位置することに由来します。Kバンドは、22.24GHzに大気中の水蒸気による共鳴ピークが存在するため、長距離伝送には適さず、Ku、K、Kaの3つに分割されました。Kaバンドは、その高い周波数特性から、様々な用途で利用されています。

Kaバンドの用途

衛星通信: Kaバンドは、Kuバンドと比較してより広い帯域幅を確保できるため、高速で大容量の通信が可能です。インマルサットI-5システムをはじめ、イリジウム衛星やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡など、最先端の通信システムで活用されています。
軍事レーダー: 高解像度な近接レーダーとして、軍用航空機に搭載されています。
法執行機関: 一部の周波数は、車両の速度計測に使用されています。
宇宙探査: ケプラーミッションでは、宇宙望遠鏡が収集した科学データを地上にダウンリンクする際に、この周波数帯が用いられました。また、宇宙マイクロ波背景放射の観測にも活用されています。

Kaバンドの特性

Kaバンドの大きな特徴の一つは、その高い周波数による高速・大容量通信能力です。しかし、その一方で、降雨による減衰の影響を受けやすいという欠点も持ち合わせています。この降雨減衰の影響は、Kuバンドよりも大きく、Cバンドに比べるとさらに顕著になります。

5Gとの関連

次世代の移動通信システムである5Gでは、Kaバンドの一部周波数帯（28GHz、38GHz、60GHz帯）が利用されています。これにより、5Gネットワークにおける高速通信が実現されます。

語源について

Kaバンドの「K」は、ドイツ語の「短い」を意味する "kurz" に由来するという説もありますが、一般的には「K-above」が定説となっています。

まとめ

Kaバンドは、マイクロ波帯域の中でも特に高い周波数を利用するバンドであり、高速大容量通信を可能にする一方で、降雨の影響を受けやすい特性があります。衛星通信、軍事レーダー、宇宙探査など、幅広い分野で活用されており、現代社会において重要な役割を果たしています。

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