KORD

KORD（コード）: ウクライナ国家警察の精鋭特殊部隊

KORD（コード、ウクライナ語: КОРД）は、正式名称を「迅速作戦対応部隊」（ウクライナ語: Корпус Оперативно-Раптової Дії）といい、ウクライナ国家警察に所属する特殊部隊です。その任務は、他の即応部隊や作戦捜索部隊では対応が難しい、高度で複雑な緊急事態への対応です。

部隊の特徴

KORDは、アメリカの警察SWAT部隊をモデルとした部隊構造を持ちます。高いレベルの訓練を受けた隊員で構成されており、危険な犯罪者の逮捕、人質救出、対テロ作戦など、幅広い任務に対応できる能力を備えています。

歴史

KORDは、ウクライナ国家警察が新たに設立された際に、その特殊警察部隊として創設されました。2015年に隊員の採用と訓練が開始され、2016年に最初の部隊が編成されました。訓練は、アメリカの特殊警察部隊、特にDEA（麻薬取締局）や連邦保安官局から支援を受けました。この支援は、米国務省国際麻薬・法執行局が監督しました。

2016年11月3日には、ボルィースピリ国際空港でウクライナ国家国境庁のドゾル部隊と合同訓練を実施しました。

KORDは、ウクライナ東部での対テロ作戦（ドンバス戦争）にも参加し、実戦経験を積みました。また、2022年のロシアによるウクライナ侵攻では、キーウのKORD部隊が、キーウ攻勢やブロバルイの戦いにおいて、ロシア軍の戦車やBMPに対して待ち伏せ攻撃を敢行し、大きな戦果をあげました。ウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキーは、ロシアの本格的な侵攻に対抗する上で重要な役割を果たしたKORDの兵士たちに、国家賞を授与しました。

任務

KORDの主な任務は以下の通りです。

危険な犯罪者を逮捕するための特別作戦の策定、準備、実施
犯罪グループによる犯罪の鎮圧
人質救出
捜索活動における武力支援の提供
他の警察部隊への支援提供（犯罪者に対して優位な火力確保のため）
ウクライナ保安庁の対テロセンターが実施する対テロ作戦への参加
国内外の経験、および同様の外国部隊の任務遂行方法の研究、分析
刑事訴訟関係者の安全対策の確実な実施


これらの任務遂行のため、KORDは高度な訓練と専門知識を持ち、最新の装備を使用しています。

組織

KORDの本部はキーウに所在し、各地域に地方事務所が設けられています。全国的なネットワークを構築し、迅速かつ効果的な作戦展開を可能にしています。

大衆文化

KORDは、クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET テネット』（2020年）のオープニングシーンに登場します。このシーンでは、キーウのオペラハウスでのテロ攻撃に対応する部隊として描かれています。

関連項目

警察戦術部隊
SWAT
ウクライナ国家警察
特殊任務巡回警察
リュート旅団
ウクライナの特殊部隊
ウクライナ特殊作戦軍
アルファ部隊：ウクライナ保安庁隷下
第10機動国境支隊：ウクライナ国家国境庁隷下
オメガ対テロ特殊部隊：ウクライナ国家親衛隊隷下

外部リンク

国家警察の公式サイト

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