L-03C

docomo PRO series L-03C：カメラ性能に特化した革新的携帯電話

NTTドコモのFOMA端末として2011年に発売されたdocomo PRO series L-03Cは、LGエレクトロニクスが開発を手掛けた、カメラ機能に特化した画期的な携帯電話です。同時期に発売された他機種と同様に、光学ズームレンズを搭載したモデルとして注目を集めました。しかし、単にカメラ機能を追加した携帯電話という枠を超え、コンパクトデジタルカメラに携帯電話機能を付加したかのような、斬新なデザインと操作性を特徴としています。

カメラ機能：デジタルカメラ並みの高性能

L-03Cの最大の特徴は、その高性能なカメラ機能です。PENTAX製の35mm～105mm光学3倍ズームレンズを搭載し、当時としては画期的な高画質撮影を実現しました。1/2.3型の大型CCDセンサーと、日本の携帯電話としては初めてとなるキセノンフラッシュ（高輝度LEDの約4倍の光量）を採用することで、暗所や夜景でも鮮明な撮影が可能です。さらに、最高ISO3200相当の高感度、最高1/1500秒の高速シャッタースピードにより、動きの速い被写体にも対応できる高い性能を誇ります。

レンズは沈胴式で、通常時はカバーで保護され、撮影時に自動でカバーが開く機構となっています。操作は主に3.0インチの大型タッチパネルで行い、オートフォーカス、測光なども直感的に操作できます。また、「パノラマ撮影」「スマイルショット」「ビューティーショット」「ハイスピードショット」など、多様な撮影モードも搭載しており、ユーザーは撮影シーンに合わせて最適な設定を選択できます。

ユーザーインターフェース：直感的なタッチパネル操作

L-03Cは、テンキーを廃した全面タッチパネルを採用し、コンパクトデジタルカメラのようなデザインに仕上げられています。操作は全て3.0インチの静電式タッチパネルで行い、待ち受け画面などもスマートフォンのようにアイコンが表示され、スクロールやタッチ操作で機能を選択できる、直感的なインターフェースとなっています。文字入力もタッチパネル上のソフトキーボードを使用します。

さらに、パソコンに専用のアプリケーション「LG On-Screen Phone」をインストールすることで、Bluetooth接続によりパソコンからL-03Cを操作することも可能です。これにより、パソコンからiモードメールやドコモWebメールの作成・送受信などが行えます。

その他機能とプリインストールアプリ

カメラ機能に特化しているため、ワンセグ、おサイフケータイ、GPSなどの機能は搭載されていません。しかし、iモード接続、iモードメール、iアプリなどの基本的な機能は利用可能です。BluetoothやGSMによる国際ローミング（WORLD WING）にも対応しています。また、充電端子にはmicroUSBを採用しており、当時のiモード端末としては珍しい仕様となっています。

プリインストールアプリには、「数字カフェ」「頭脳発展所」「Battle Reversi」「E★エブリスタアプリ」「モバイルGoogleマップ」などが含まれており、必要に応じてドコモマーケットから追加アプリをインストールすることも可能です。

歴史と関連機種

L-03Cは、2010年11月に多数の機種と共に開発発表され、2011年1月に発売されました。同時期に発売された、AQUOS SHOTケータイ(SH-05C)やLUMIX Phone(P-03C)なども、光学ズームを搭載したカメラ機能を前面に押し出したモデルとして知られています。また、LGエレクトロニクス製としては、全面タッチパネルを採用したPRADA Phoneなども挙げられます。

L-03Cは、その革新的なデザインと高性能なカメラ機能によって、携帯電話の新たな可能性を示したモデルと言えるでしょう。

もう一度検索