L-19 (潜水艦)

L-19潜水艦の歴史

L-19（ロシア語: Л-19）は、ソ連海軍所属の機雷敷設潜水艦で、その存在は特に1945年の出来事に関連しています。この艦は、当時の海軍戦略において重要な役割を果たし、様々な戦闘に参加しました。

建造の経緯

L-19は1935年12月26日に起工され、レーニネツ級潜水艦第XIIIシリーズの7番艦として位置づけられました。最初は第189工場で建造が始まりましたが、1936年にウラジオストクの第202工場に移され、その後、1938年5月25日に進水を果たしました。最終的に1939年11月4日には赤色海軍太平洋艦隊に編入され、ここから正式にその任務が始まることになります。

作戦行動と戦闘

L-19は1945年8月19日に留萌沖近海へと移動し、21日より敵艦に対する偵察業務や攻撃任務を開始しました。特に8月22日には、第二号新興丸（2,700トン）に対して雷撃及び砲撃を行い、大きな損害を与えました。当日に、877トンの泰東丸をも砲撃によって沈没させるなど、L-19はその任務を遂行し続けていました。

沈没の謎

しかしその後、L-19は行方不明となります。最期の通信は「これから宗谷海峡に入る」という内容でしたが、その後、連絡が途絶え、何らかの理由で沈没したと考えられています。ソ連太平洋艦隊の作戦司令部は、機雷に接触した結果としての沈没と判断しました。この機雷は、L-19自身が攻撃した第二号新興丸が以前に敷設したものであり、運命の皮肉を感じさせます。

捜索と後の評価

L-19の沈没後、宗谷海峡周辺では、漁船によって金属片が発見されるなど沈没船の存在が知られるようになりました。また、サハリンプロジェクトの調査船も海底での船影を確認しており、その存在を示唆しています。興味深いことに、1943年にはアメリカ海軍の潜水艦ワフーもこの同じ海域で沈没しており、L-19と混同される可能性もありました。

2005年にはロシア海軍太平洋艦隊がL-19の捜索を行いましたが、音波探知機による調査は実を結びませんでした。さらに、2006年には追悼式典が行われ、艦の存在を忘れないための努力が続けられています。これらの出来事は、L-19という艦数が抱える歴史的な重みを物語るものであり、その影響は今日に至るまで続いています。

L-19の物語は、戦争の激動とその背後にある人々の想いを強く反映しています。

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