LABYRINTH (郷ひろみのアルバム)

郷ひろみ『LABYRINTH』：成熟期の輝きを放つ、最後のLPアルバム

1985年10月2日、CBS・ソニーより発売された郷ひろみ23枚目のオリジナルアルバム『LABYRINTH』。この作品は、前作のベストアルバムから6ヶ月、オリジナルアルバムとしては前作『ALLUSION』から10ヶ月ぶりのリリースとなり、彼の音楽キャリアにおける重要な位置を占めています。そして、郷ひろみにとって最後のLPレコード作品という、歴史的な意味も併せ持っています。

『LABYRINTH』は、洗練されたサウンドと、バラエティに富んだ楽曲群によって構成されています。参加ミュージシャンは、大村雅朗氏を中心とした豪華な顔ぶれ。作詞家には、松井五郎氏、売野雅勇氏、来生えつこ氏といった、当時を代表するヒットメーカーが名を連ね、作曲陣も井上陽水氏、原田真二氏、山本達彦氏など実力派が多数参加しています。

アルバム収録楽曲は、後にシングルカットされた「Cool」を始め、バラードからアップテンポなナンバーまで、郷ひろみのヴォーカルの魅力を余すことなく堪能できる選曲となっています。

主な収録楽曲

Cool: 大江千里氏作詞作曲によるこの曲は、後に56枚目のシングルとしてリリースされ、大きなヒットを記録しました。スタイリッシュなサウンドと郷ひろみの歌声が印象的な一曲です。
サファイア・ブルー: 松本隆氏作詞、井上陽水氏作曲のこの曲は、アルバムからの先行シングルとしてリリースされました。美しいメロディーと、切ない歌詞が郷ひろみの歌声と見事に調和しています。
LABYRINTH: アルバムタイトルと同名のこの曲は、郷ひろみ自身による作曲。アルバム全体のテーマを象徴するような、力強いナンバーに仕上がっています。
サーティーズ・スコッチ: 売野雅勇氏作詞、原田真二氏作曲のこの曲は、大人の魅力が漂う、落ち着いた雰囲気の一曲です。
The Heart Beats: 来生えつこ氏作詞、山本達彦氏作曲のこの曲は、胸を打つメロディーと歌詞が印象的なミディアムテンポの楽曲です。
イージー・ハンター: 来生えつこ氏作詞作曲によるこの曲は、軽快なリズムとキャッチーなメロディーが魅力のナンバーです。
ぎりぎり燃えて: 来生えつこ氏作詞、原田真二氏作曲によるこの曲は、情熱的な歌詞とメロディーが、聴く者の心を揺さぶります。
Deep: 郷ひろみ自身による作曲。静かに深く心に響くバラードです。
* バラードで泣かせて: 売野雅勇氏作詞、安藤まさひろ氏作曲のこの曲は、切ないメロディーと歌詞が印象的なバラードです。

これらの楽曲以外にも、アルバムには数々の魅力的な曲が収録されており、郷ひろみの音楽性の幅広さ、そして表現力の高さを示すものとなっています。

参加ミュージシャン

アルバム制作には、郷ひろみ自身に加え、松武秀樹氏、浦田恵司氏、富樫春生氏、大村雅朗氏ら、数々の有名ミュージシャンが参加。それぞれの持ち味を活かした演奏が、アルバム全体のクオリティを高めています。

『LABYRINTH』は、郷ひろみのキャリアにおいて、一つの到達点であり、同時に新たな出発点となる作品と言えるでしょう。LPというフォーマットとしては最後の作品となりましたが、その音楽性は時代を超えて聴き継がれる価値を持っています。80年代の歌謡シーンを代表する名盤として、ぜひ一度聴いてみてください。

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