LARC (軍用車両)

LARC（Lighter, Amphibious Resupply, Cargo：水陸両用貨物補給自走艀）は、アメリカ合衆国で開発された水陸両用車です。上陸用舟艇に車輪を取り付けたような独特な外観を持ち、水上ではスクリュープロペラ、陸上や波打ち際ではタイヤを使って推進します。

概要

LARCは、主に沖合の揚陸艦から沿岸への人員や物資の輸送、または連絡用に使用されました。従来の水陸両用車両と比較して、高い水上航行能力と大きな搭載量を誇ります。搭載可能な重量によって、以下の3つのモデルに区分されていました。

LARC-LX (Lighter, Amphibious Resupply, Cargo, 60(LX) ton)：60トン積載可能
LARC-XV (Lighter, Amphibious Resupply, Cargo, 15(XV) ton)：15トン積載可能
LARC-V (Lighter, Amphibious Resupply, Cargo, 5(V) ton)：5トン積載可能

開発と運用

最初に開発されたのは60トン型のLARCで、当初はBARC（Barge, Amphibious Resupply, Cargo：水陸両用貨物補給艀）という名称で1952年に採用されました。1960年には、制式名称がLARC-LXに変更されています。続いて15トン型のLARC-VXが1960年に採用され、最も小型の5トン型であるLARC-Vは1956年から開発が行われ、1959年に採用、1963年より生産・導入されました。

3つのモデル合わせて968両が生産され、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊、アメリカ陸軍で使用されました。LARC-Vは、アメリカの同盟国に供与または売却され、いくつかの国で使用された他、軍から払い下げられた車両が民間で観光用などに利用されています。

1980年代に入ると、LARCは実戦部隊から徐々に引き揚げられました。LARC-VXとLARC-LXは1990年代にLCAC（エアクッション式揚陸艇）に代替される形で退役が決定し、LARC-LXは最後の部隊が2001年10月15日に解隊しています。しかし、LARC-Vは21世紀に入りSLEP（Service Life Extension Program：寿命延長プログラム）による改修を受け、現役に復帰し、再び運用されています。

参考文献

上田信『U.S.マリーンズ ザ・レザーネック』大日本絵画、1996年。ISBN 978-4499226653

関連項目

水陸両用車
LVT
LVTP-5
LVTP-7 (AAV7)
フォード GPA
DUKW
アメリカ海兵隊

外部リンク

GlobalSecurity.org：Military＞Systems＞Ships＞Auxiliary＞Sealift＞Army Watercraft＞LARC Lighter, Amphibious, Resupply, Cargo

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