LIVE LIFTOFF 2012

アルバム概要

『LIVE LIFTOFF 2012』（ライブ・レフトオフ 2012）は、日本のフュージョンシーンを長年にわたり牽引してきたバンド、CASIOPEAの第三期にあたるCASIOPEA 3rdがリリースした記念碑的なライブアルバムです。2013年4月17日にHATS UNLIMITEDより発売されました。この作品は、バンドが約6年間の活動休止期間を経て、新たなメンバー構成で活動を再開した直後の、ファン待望のライブパフォーマンスを記録したものであり、CD2枚組とDVDの形態でリリースされています。

復活ライブの記録

本作には、CASIOPEA 3rdとして再始動を果たした時期に行われた二つの重要なライブの模様が収められています。CDパートには、2012年10月19日に東京・SHIBUYA-AXで開催された復活単独コンサート「Live Liftoff」での演奏が収録されており、バンドの本格的な再始動を告げる、パワフルなパフォーマンスを堪能できます。一方、付属のDVDには、それに先立つ2012年9月9日に東京国際フォーラムで行われた「東京JAZZ 2012」でのステージが完全収録されています。この「東京JAZZ 2012」への出演が、CASIOPEA 3rdとしての初の公式ライブとなり、大きな注目を集めました。このアルバムは、新生CASIOPEAが再びステージに立ち、新たな一歩を踏み出した瞬間を捉えた、歴史的価値のある作品と言えます。

新たなメンバー構成でのサウンド

CASIOPEA 3rdとしての活動再開にあたり、バンドはメンバー構成を変更しました。長年キーボードを務めた向谷実氏に代わり、オルガニストとして独自のキャリアを持つ大髙清美氏が新たなキーボード奏者として加入しました。オリジナルメンバーであるギターの野呂一生氏、そして第二期以降バンドを支えてきたベースの鳴瀬喜博氏に、大髙氏が加わった3人がCASIOPEA 3rdの正式メンバーです。また、ドラムには、かつてバンドのレギュラーメンバーとしても活躍した神保彰氏が「スペシャルサポート」という形で参加しています。この新しい布陣による、円熟味と新たな息吹が融合した演奏が、本作の最大の魅力の一つとなっています。

CASIOPEA 3rd メンバー

野呂一生 - ギター
大髙清美 - キーボード
鳴瀬喜博 - ベース

スペシャルサポート

神保彰 - ドラム

音楽的内容とアルバムの特徴

約6年ぶりのライブ活動ながら、バンドの演奏は高い集中力と技術力を示しており、ブランクを感じさせません。大髙清美氏が加わったことにより、特にオルガンサウンドがバンド全体の響きに深みと変化を与えています。収録されている楽曲の多くは、過去のCASIOPEAの膨大なレパートリーの中から選ばれた代表曲ですが、新生CASIOPEA 3rdとして初めて制作された新曲「Arrow Of Time」も唯一収録されており、バンドの進化と未来への展望を示唆しています。復活を待ち望んでいた多くのファンにとって、このアルバムはまさに待望のリリースであり、バンドの新たな歴史の始まりを飾る重要な作品となりました。

制作背景

本作のプロデュースは、CASIOPEA 3rd自身が手掛けています。レコーディングおよびミキシング・エンジニアは倉石裕治氏が担当し、ライブ会場の熱気と迫力をそのままに真空パックしたような、高品質なサウンドを実現しています。この制作体制により、バンドが理想とするライブアルバムが完成しました。

まとめ

『LIVE LIFTOFF 2012』は、日本のフュージョン界における伝説的バンド、CASIOPEAがCASIOPEA 3rdとして鮮烈な復活を遂げた瞬間を記録した、非常に価値の高いライブアルバムです。新しいメンバーを迎え、新たなサウンドを追求しながらも、バンドの核となる圧倒的な演奏力とグルーヴは健在であることを証明しています。長年のファンはもちろん、これからCASIOPEAの世界に触れるリスナーにとっても、バンドの歴史における重要な転換点を理解する上で必聴の作品と言えるでしょう。本作に関する詳細な情報や関連レビューは、CDジャーナルなどの音楽専門媒体や、Discogs、MusicBrainzといったオンラインデータベースでも確認することができます。

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