LOVE! LOVE! & LOVE!
『LOVE! LOVE! & LOVE!』（ラヴ! ラヴ! アンド ラヴ!）は、1991年7月12日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされた、日本の音楽ユニットORIGINAL LOVE|Original_Loveの2枚組メジャーデビューアルバムです。数回のメンバーチェンジを経てリリースされた本作は、書き下ろし曲に加え、インディーズ時代の楽曲のリアレンジ版、田島貴男がピチカート・ファイヴ在籍時に発表した楽曲のセルフカバー、レコーディングセッションから生まれた曲などを収録しています。
アルバム制作の背景には、過去にORIGINAL LOVE|Original_Loveがライブで演奏していた楽曲が他のアーティストによって模倣されたという出来事がありました。これにより、バンドは1からの仕切り直しを余儀なくされ、その結果、ニュー・ソウル、リズム・アンド・ブルース、スウィング、ジャンプ・ブルース、ラテン音楽、レゲエなど、多様な音楽性を詰め込んだ作品となりました。作詞・作曲はほぼ田島貴男が担当しましたが、一部の楽曲では当時のバンドメンバーやサポートメンバーの井上トミオもソングライティングに参加しています。プロデュースは井出靖と田島貴男が共同で担当しました。
本作は、第33回日本レコード大賞にて最優秀アルバム・ニュー・アーティスト賞を受賞しました。この受賞は、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの音楽的な才能と、本作の革新性を証明するものとなりました。
1985年、田島貴男は和光大学に入学し、軽音楽サークルで出会ったメンバーと共に、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの前身となるレッド・カーテンを結成しました。レッド・カーテンはライブハウスを中心に活動し、1987年にはコンピレーションアルバム『ATTACK OF... MUSHROOM PEOPLE』に参加。これがきっかけとなり、ネオGSブームに乗って聴衆を増やしていきました。しかし、メジャーデビューにはなかなか繋がらなかったといいます。
その後、クリスマスアルバム『MINT SOUND'S CHRISTMAS ALBUM』にORIGINAL LOVE|Original_Love名義で楽曲が収録された際、ピチカート・ファイヴの小西康陽がORIGINAL LOVE|Original_Loveを絶賛。田島はピチカート・ファイヴに加入しますが、ORIGINAL LOVE|Original_Loveとしての活動も並行して行うことを条件としました。ピチカート・ファイヴでの活動を通じて、田島はソウルミュージックに深く傾倒し、自身の音楽性を追求しました。しかし、ピチカート・ファイヴがコンポーザー的な考えが強いバンドであったことから、肉体的な表現を含めた演奏スタイルを望んだ田島は、後にピチカート・ファイヴを脱退し、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの活動に専念することになります。
メジャーデビューアルバムとなった本作ですが、田島によれば、デビュー前からアルバム制作の意志はあり、既に四期目のORIGINAL LOVE|Original_Loveであると語っています。バンド結成当初からすれば、アルバム3枚分の活動実績があったにもかかわらず、なかなかリリースに至らなかったそうです。第二期には小沢健二や小山田圭吾がライブを観覧しており、その後にリリースされたフリッパーズ・ギターのアルバムは、田島の音楽性を模倣したものが多かったとのことです。
このような状況から、田島は「デビュー前にフォロワーが先に出ちゃった」と複雑な心境を語っています。その後、周囲からフリッパーズ・ギターの模倣であると指摘される事態となったため、1からの仕切り直しを余儀なくされ、本作の方向性が決定されました。田島は、未完成な作品になったとしながらも、新たなメンバーと新しいサウンドを完成させる義務感があったと述べています。
音楽評論家の萩原健太は、本作を「“はじめの一歩”の記録であると同時に、ある種総決算的な作品」と評しています。アルバムには、1970年代のニュー・ソウル、1960年代のアメリカ南部系R&B、ジャジーなスウィング、ジャンプ・ブルース、ラテン音楽、レゲエなど、多様な音楽性が詰め込まれています。萩原は、その雑多な音楽要素を「アナーキーなまでに」詰め込んでいると評しました。
また、CDジャーナルでは、各楽曲の特徴を詳細に解説しています。「BODY FRESHER」はスムージーなジャズ曲、「BLUE TALK」はラテンジャズナンバー、「夜をぶっとばせ」は渋谷系ポップチューン、「ORANGE MECHANIC SUICIDE」は、田島が17歳の時に制作された初期の楽曲であると紹介しています。
本作は、1991年7月12日に2枚組CDとしてリリースされました。パッケージは、マキシシングル用プラケースを重ねたものが透明プラスチックの外箱に収納されているというユニークなものでした。アートディレクションは信藤三雄が担当し、ジミ・ヘンドリックスのアルバム『エレクトリック・レディランド』に影響を受けたデザインとなっています。蛍光の文字は、信藤自身の曖昧な記憶が元になっているとのことです。
本作は、オリコンアルバムチャートで最高56位を記録しました。その後、1998年と2007年に再リリースされ、2021年には30周年記念デラックスエディションも発売されています。
本作の音楽性に対する評価は高く、CDジャーナルは「流行のブラック・ミュージックの要素からひねったポップ感覚まで才気は十二分」と評しています。レコード・コレクターズ誌では、90年代の邦楽アルバムベスト100の第34位に選出され、「華やかでゴージャス、なにより青さが魅力」と評されています。TOWER RECORDS ONLINEでは、アシッド[[ジャズ]]に呼応した「クールでオシャレなサウンド」であると指摘し、「90年代のニッポンを席捲した「渋谷系」を代表する一枚とも言える」と評価しました。
また、第33回日本レコード大賞では、最優秀アルバム・ニュー・アーティスト賞を受賞しており、その音楽性が広く認められたことを示しています。このアルバムは、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの音楽的な多様性と、革新的なサウンドを世に知らしめた重要な作品と言えるでしょう。
アルバム制作の背景には、過去にORIGINAL LOVE|Original_Loveがライブで演奏していた楽曲が他のアーティストによって模倣されたという出来事がありました。これにより、バンドは1からの仕切り直しを余儀なくされ、その結果、ニュー・ソウル、リズム・アンド・ブルース、スウィング、ジャンプ・ブルース、ラテン音楽、レゲエなど、多様な音楽性を詰め込んだ作品となりました。作詞・作曲はほぼ田島貴男が担当しましたが、一部の楽曲では当時のバンドメンバーやサポートメンバーの井上トミオもソングライティングに参加しています。プロデュースは井出靖と田島貴男が共同で担当しました。
本作は、第33回日本レコード大賞にて最優秀アルバム・ニュー・アーティスト賞を受賞しました。この受賞は、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの音楽的な才能と、本作の革新性を証明するものとなりました。
制作の経緯
1985年、田島貴男は和光大学に入学し、軽音楽サークルで出会ったメンバーと共に、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの前身となるレッド・カーテンを結成しました。レッド・カーテンはライブハウスを中心に活動し、1987年にはコンピレーションアルバム『ATTACK OF... MUSHROOM PEOPLE』に参加。これがきっかけとなり、ネオGSブームに乗って聴衆を増やしていきました。しかし、メジャーデビューにはなかなか繋がらなかったといいます。
その後、クリスマスアルバム『MINT SOUND'S CHRISTMAS ALBUM』にORIGINAL LOVE|Original_Love名義で楽曲が収録された際、ピチカート・ファイヴの小西康陽がORIGINAL LOVE|Original_Loveを絶賛。田島はピチカート・ファイヴに加入しますが、ORIGINAL LOVE|Original_Loveとしての活動も並行して行うことを条件としました。ピチカート・ファイヴでの活動を通じて、田島はソウルミュージックに深く傾倒し、自身の音楽性を追求しました。しかし、ピチカート・ファイヴがコンポーザー的な考えが強いバンドであったことから、肉体的な表現を含めた演奏スタイルを望んだ田島は、後にピチカート・ファイヴを脱退し、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの活動に専念することになります。
音楽性と録音
メジャーデビューアルバムとなった本作ですが、田島によれば、デビュー前からアルバム制作の意志はあり、既に四期目のORIGINAL LOVE|Original_Loveであると語っています。バンド結成当初からすれば、アルバム3枚分の活動実績があったにもかかわらず、なかなかリリースに至らなかったそうです。第二期には小沢健二や小山田圭吾がライブを観覧しており、その後にリリースされたフリッパーズ・ギターのアルバムは、田島の音楽性を模倣したものが多かったとのことです。
このような状況から、田島は「デビュー前にフォロワーが先に出ちゃった」と複雑な心境を語っています。その後、周囲からフリッパーズ・ギターの模倣であると指摘される事態となったため、1からの仕切り直しを余儀なくされ、本作の方向性が決定されました。田島は、未完成な作品になったとしながらも、新たなメンバーと新しいサウンドを完成させる義務感があったと述べています。
音楽評論家の萩原健太は、本作を「“はじめの一歩”の記録であると同時に、ある種総決算的な作品」と評しています。アルバムには、1970年代のニュー・ソウル、1960年代のアメリカ南部系R&B、ジャジーなスウィング、ジャンプ・ブルース、ラテン音楽、レゲエなど、多様な音楽性が詰め込まれています。萩原は、その雑多な音楽要素を「アナーキーなまでに」詰め込んでいると評しました。
また、CDジャーナルでは、各楽曲の特徴を詳細に解説しています。「BODY FRESHER」はスムージーなジャズ曲、「BLUE TALK」はラテンジャズナンバー、「夜をぶっとばせ」は渋谷系ポップチューン、「ORANGE MECHANIC SUICIDE」は、田島が17歳の時に制作された初期の楽曲であると紹介しています。
リリースとアートワーク
本作は、1991年7月12日に2枚組CDとしてリリースされました。パッケージは、マキシシングル用プラケースを重ねたものが透明プラスチックの外箱に収納されているというユニークなものでした。アートディレクションは信藤三雄が担当し、ジミ・ヘンドリックスのアルバム『エレクトリック・レディランド』に影響を受けたデザインとなっています。蛍光の文字は、信藤自身の曖昧な記憶が元になっているとのことです。
本作は、オリコンアルバムチャートで最高56位を記録しました。その後、1998年と2007年に再リリースされ、2021年には30周年記念デラックスエディションも発売されています。
評価と受賞
本作の音楽性に対する評価は高く、CDジャーナルは「流行のブラック・ミュージックの要素からひねったポップ感覚まで才気は十二分」と評しています。レコード・コレクターズ誌では、90年代の邦楽アルバムベスト100の第34位に選出され、「華やかでゴージャス、なにより青さが魅力」と評されています。TOWER RECORDS ONLINEでは、アシッド[[ジャズ]]に呼応した「クールでオシャレなサウンド」であると指摘し、「90年代のニッポンを席捲した「渋谷系」を代表する一枚とも言える」と評価しました。
また、第33回日本レコード大賞では、最優秀アルバム・ニュー・アーティスト賞を受賞しており、その音楽性が広く認められたことを示しています。このアルバムは、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの音楽的な多様性と、革新的なサウンドを世に知らしめた重要な作品と言えるでしょう。
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