LOVE TRAIN (浜田省吾のアルバム)

浜田省吾『LOVE TRAIN』

『LOVE TRAIN』（ラブ・トレイン）は、1977年5月21日にリリースされた浜田省吾の2枚目のアルバムです。デビューアルバムの不発を受け、音楽性の転換を図り、よりポップなサウンドを目指した作品として知られています。

概要

「せつなくも胸おどるメロディと詩の世界」というキャッチコピーがつけられた本作は、前作とは対照的に、愛奴時代のようなポップな楽曲を志向して制作されました。しかし、浜田省吾自身はトラックダウンに納得がいかず、完成後しばらくの間は聴くことができなかったと述べています。時を経て、彼はこのアルバムに収録された楽曲の良さを再認識し、特に歌詞については「もう絶対に書けないような初々しい少年の歌詞」と評しています。ただし、音質や自身の歌声については、不満が残るとも語っています。

レコーディングには、村上秀一（ドラムス）、岡沢章（ベース）、斉藤ノブ（パーカッション）といった、日本の音楽シーンを代表するミュージシャンたちが参加しています。これらのミュージシャンの貢献は、レコードのクレジットには明記されていません。

セルフカバー

「五月の風に」を除く収録曲は、後に全てセルフカバーされています。代表的なものとして、以下が挙げられます。

「雨の日のささやき」「恋に気づいて」「行かないで」 - 『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』（1997年）
「君に会うまでは」「君の微笑」 - 『Sand Castle』（1983年）
「愛のかけひき」 - 『EDGE OF THE KNIFE』（1991年）
「ラブ・トレイン」 - シングル「Good Night Angel/Love Train」（2018年）
「ラストダンス」 - 『Wasted Tears』（1989年）
「悲しみ深すぎて」- 『その永遠の一秒に』（1993年）

これらのセルフカバーを通じて、楽曲は新たな解釈が与えられ、時代を超えて愛されることとなりました。

アルバムジャケット

ラガーシャツに短パン、スニーカーを身につけ、長髪にサングラスというアルバムジャケットは、現在の浜田省吾のイメージとは大きく異なります。彼はライブなどでこのジャケットをネタにし、「誰があんな格好させたんだ?」「あれは一体何のスポーツをやっている奴なんだ?」と自虐的に語ることがあります。

記録

1996年時点での累計売上は207,462枚（アナログ盤・CD・カセットの合計）を記録しています。

収録曲

LP盤

(収録曲は省略)

CD盤

(収録曲は省略)

楽曲解説

雨の日のささやき
恋に気づいて
君に会うまでは：先行シングル「ラブ・トレイン」のB面。浜田省吾自身の結婚式で歌われたというエピソードがあります。斉藤和義やつるの剛士など、多くのアーティストによってカバーされています。
愛のかけひき：1976年10月21日発売の2ndシングル。シングルバージョンは高中正義がアレンジ。アルバムバージョンとは異なるアレンジが施されています。
君の微笑：歌詞が異なる未発表曲「愛に形があれば」が存在します。
ラブ・トレイン：アルバムからの先行シングルとして1977年4月21日にリリース。作詞は松本隆が担当しました。
ラストダンス：現在もコンサートのアンコールで頻繁に演奏される人気曲。元々は「ボクサー」という未発表曲でした。
五月の風に
悲しみ深すぎて：1993年9月発売のアルバム『その永遠の一秒に』でセルフカバーされました。
行かないで

参加ミュージシャン

Drums：村上秀一
Bass：小原礼、岡沢章
Keyboard：EDISON
Electric Guitar：大村憲司、安川ひろし
Acoustic Guitar：吉川忠英、矢島賢、笛吹利明
Percussion：斉藤ノブ
* Backing Vocal：町支寛二

『LOVE TRAIN』は、浜田省吾のキャリアにおいて重要なターニングポイントとなったアルバムであり、彼の音楽性の幅広さを示す作品と言えるでしょう。

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