Light and Shadows

『Light and Shadows』（ライト・アンド・シャドウ）

日本の代表的なフュージョンバンド、カシオペアが発表した通算30枚目のスタジオ・アルバムが、この『Light and Shadows』である。この作品は、2000年代後半におけるバンドの活動において、特に記憶されるべき一枚と言えるだろう。

特徴とゲスト参加

本作の最大の特徴は、豪華なゲスト・ドラマーの参加にある。長年にわたりカシオペアのサウンドを支え、高い人気を誇ったドラマー、神保彰が、およそ9年ぶりにバンドのレコーディングに復帰したことは、多くのファンにとって大きな喜びとなった。彼は、アルバムに収録された楽曲のうち8曲でドラムを担当し、その卓越したテクニックとグルーヴを披露している。また、ジャズ・フュージョン界の巨匠として知られ、「ザ・ティーズ」など数々の名曲を生み出した伝説的なドラマー、ハーヴィー・メイソンもゲストとして参加。彼は本作の3曲でドラムを叩いており、異なる個性を持つ二人の名手によるドラミングが、アルバムに多様な色彩を与えている。

参加ミュージシャン

レコーディング時点でのカシオペアのレギュラーメンバーは、バンドのリーダーでありギタリストの野呂一生、キーボードの向谷実、そしてベーシストの鳴瀬喜博の3人であった。この盤石の布陣に、前述の神保彰とハーヴィー・メイソンという二人の強力なゲスト・ドラマーが加わることで、ダイナミックかつ繊細なサウンドが実現された。

CASIOPEA
野呂一生 — ギター
向谷実 — キーボード
鳴瀬喜博 — ベース

ゲスト・ミュージシャン
神保彰 — ドラム (M-2, 3, 4, 7, 8, 9, 10, 11)、エレクトリック・パーカッション (M-1, 3, 5, 6, 7, 9)
ハーヴィー・メイソン — ドラム (M-1, 5, 6)

神保彰はドラムの他に、複数曲でエレクトリック・パーカッションも担当しており、そのプレイはアルバムのサウンドにアクセントを加えている。一方、ハーヴィー・メイソンも3曲でドラムを担当し、作品に貢献している。

制作体制

本作の制作は、バンド自身がサウンド・プロデューサーを務め、その音楽的な方向性を主導した。エグゼクティブ・プロデューサーとしては、Yuzo Watanabeがクレジットされている。

レコーディングおよびミキシングにおいては、優れたエンジニアリングが施された。レコーディング・エンジニアは志村広行とDon Murrayが担当し、細部にわたる音作りが行われた。アシスタント・エンジニアとして山口忠とDoug Boehmが名を連ねている。ミキシングは志村広行が一手に引き受け、サウンド全体のバランスを調整した。最終的なマスタリングは、名匠として知られる小池光夫が担当し、音源の最終的なクオリティを高めている。

楽器のメンテナンスを担当するインストルメンツ・テクニシャンとしては、堀内靖と佐々木英輔がクレジットされており、彼らのサポートが円滑なレコーディングを支えた。

アルバムの視覚的な要素であるアートワークは、アートディレクションとデザインを柳沢智が手掛け、写真はYoshihito Sasaguchiが撮影した。これらのクリエイティブチームによって、アルバムのサウンドイメージを視覚的に表現するパッケージが完成した。

サウンド・プロデューサー — カシオペア
エグゼクティブ・プロデューサー — Yuzo Watanabe
レコーディング・エンジニア — 志村広行 (Hiroyuki Shimura), Don Murray
アシスタント・エンジニア — 山口忠 (Tadashi Yamaguchi), Doug Boehm
ミキシング・エンジニア — 志村広行 (Hiroyuki Shimura)
マスタリング・エンジニア — 小池光夫 (Mitsuo Koike)
インストルメンツ・テクニシャン — 堀内靖 (Yasushi Horiuchi)、佐々木英輔 (Eisuke Sasaki)
アートディレクション、デザイン — 柳沢智 (Satoshi Yanagisawa)
写真 — Yoshihito Sasaguchi

まとめ

『Light and Shadows』は、レギュラーメンバーとゲストが融合した特別な布陣で制作された作品であり、カシオペアの長い歴史の中でも特徴的なアルバムの一つとして位置づけられる。二人の名手によるドラミングの競演は、フュージョンファンにとって聴きどころであり、バンドの新たな一面を引き出した作品と言えるだろう。

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