Lunatic Doll〜暗殺警告

『Lunatic Doll〜暗殺警告』（ルナティック・ドール〜あんさつけいこく）は、1983年4月21日にビクター音楽産業／Invitationからリリースされた、浜田麻里の記念すべき1枚目のアルバムです。

制作の背景

浜田麻里は15歳頃からCMソングを歌うなど、早くから歌手活動を行っていました。メジャーデビューの話もその頃からありましたが、具体的に進展したのは大学時代に『EastWest』の予選に参加したことがきっかけでした。当時、レイズインの関係者から「ハード系の音楽性でぜひいきたい」と声をかけられたことで、浜田は自身の音楽性を模索していた日々から、「ハードロックボーカル」という方向性を見出します。そこで「これは新しい！」と確信し、メジャーデビューへと進む決意を固めたのです。

レイズインがビーイング系の事務所であった関係から、ヘヴィメタルバンドLOUDNESSのメンバーである樋口宗孝がサウンドプロデュースを担当することになりました。そして、コピーライターの糸井重里が発案したキャッチコピー「麻里ちゃんはヘビーメタル」とともに、デビューを果たしました。糸井の起用は、ビクターの初代宣伝担当が糸井と友人であったことがきっかけだったそうです。

しかし、当時、浜田のアイドル的な売り出し方と、ヘヴィメタルというジャンルが一般的ではなかったことから、コアなファンからは「ヘビメタにアイドル？」という冷めた反応があり、ヘヴィメタルに馴染みのないリスナーからは敬遠されるという状況でした。浜田自身も初期の頃はフラストレーションを感じていましたが、「そういうふうに括られるんだな」と腹を括ったそうです。彼女が目指したのは、日本にはないタイプの、洋楽的でパワフルな女性ボーカリストとして、ハードな音でデビューすることでした。

批評

音楽評論誌『CDジャーナル』は、浜田麻里のデビューが衝撃的だった理由として「ヘヴィ・メタ特有の攻撃性を清潔なイメージという名のオブラートで包み込んだからだ」と分析しました。また、2枚目のアルバム『ROMANTIC NIGHT〜炎の誓い』と同時に評価し、「ここで独自のハイトーン・ヴォイスやロング・ヴィブラートといった“麻里節”がすでに完成されているのはサスガだ」とし、「この初期の2作に関しては100%満足できるはずだ」と、そのクオリティを高く評価しています。

収録曲

LPレコード盤

A面
1. LONELY NIGHT
2. LOVE, LOVE, LOVE
3. DON'T CHANGE YOUR HEART
4. BLUE REVOLUTION
5. RUNAWAY FROM YESTERDAY
B面
1. TOKYO CALLING
2. LAST SUMMER DAY
3. PASSION
4. LYING MOON
5. LOST MY HEART

CD盤

1. LONELY NIGHT
2. LOVE, LOVE, LOVE
3. DON'T CHANGE YOUR HEART
4. BLUE REVOLUTION
5. RUNAWAY FROM YESTERDAY
6. TOKYO CALLING
7. LAST SUMMER DAY
8. PASSION
9. LYING MOON
10. LOST MY HEART

参加ミュージシャン

Drums : 樋口宗孝 (LOUDNESS)
Bass : 長沢ヒロ
Guitars : 北島健二, 湯浅晋 (A-5のみ), 松沢浩明 (B-4のみ)
Keyboards : 中島優貴

リリース日一覧

1983年4月21日 LPレコード盤
CD盤は後日発売

関連項目

ビーイング

外部リンク

Mari Hamada Official Siteによる紹介ページ
* Lunatic Doll〜暗殺警告

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