M-DISC

M-DISC（Millennial Disc）は、Millenniata社によって開発された、長期保存を目的とした追記型光ディスクです。従来の追記型光ディスクとは異なり、色素層の化学変化を利用する代わりに、無機系の材料を使用している点が最大の特徴です。具体的には、高出力レーザーによってディスク表面に物理的な凹みを生成し、データを記録します。これは、プレスされたディスクのピットが凸であるのとは対照的です。

この技術により、M-DISCは従来の光ディスクに比べて、耐光性、耐熱性、耐湿性が大幅に向上しました。開発元であるMillenniata社は、その耐久性から「1000年持つ」と主張しており、長期的なデータ保存のニーズに応えることが期待されています。

M-DISCには、DVD-RとBD-Rの二つの規格が存在します。DVD-Rは片面一層タイプですが、BD-Rには、片面一層(BD-R)、二層(BD-R DL)、三層(BD-R XL)の複数のタイプが提供されています。

M-DISCへの書き込みには、専用の対応ドライブが必要となりますが、一度記録されたディスクは、一般的なドライブやプレーヤーで読み込むことが可能です。ただし、書き込み速度は通常の追記型ディスクよりも若干遅くなる傾向があります。

M-DISCの製造メーカーは複数存在し、ディスクに関しては、Millenniata（米国、製造国はチェコ）、CMCマグネティクス（台湾）、RiTEK（台湾、プリンタブルタイプも供給）、三菱ケミカルメディア（日本）などが挙げられます。一方、M-DISC対応ドライブについては、LGエレクトロニクス（韓国、日本国内向けには自社製品の他、アイ・オー・データ機器等へOEM供給も実施）、パイオニア（日本）などが製造しています。


M-DISCは、データの長期保存を重視するユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となります。その耐久性と信頼性は、重要なデータのアーカイブや長期保存に最適です。

各メーカー情報

Millenniata: M-DISC技術の開発元であり、自社ブランドのディスクを製造しています。
CMCマグネティクス: 台湾のメーカーで、M-DISCを製造しています。
RiTEK: 台湾のメーカーで、プリンタブルタイプのM-DISCも提供しています。
三菱ケミカルメディア: 日本のメーカーで、M-DISCを製造しています。
LGエレクトロニクス: M-DISC対応ドライブを製造しており、自社ブランドだけでなく、他社へのOEM供給も行っています。
パイオニア: 日本のメーカーで、M-DISC対応ドライブを製造しています。

M-DISCの特徴まとめ

長寿命: 1000年以上の保存が可能とされています。
高い耐久性: 耐光性、耐熱性、耐湿性に優れています。
無機材料: 色素層を使用せず、無機材料を使用しています。
物理的な記録: レーザーで物理的な凹みを生成して記録します。
互換性: 読み込みは一般のドライブで可能です。
書き込み速度: 一般のディスクよりも遅い場合があります。

M-DISCは、大切なデータを長期にわたって安全に保存したいユーザーにとって、非常に信頼性の高いメディアと言えるでしょう。

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