M119 105mm榴弾砲

M119 105mm榴弾砲は、アメリカ合衆国がイギリス製のL118 105mm榴弾砲をライセンス生産した、牽引式の火砲です。高い戦略的機動力を有し、軽歩兵師団や空挺師団において重要な役割を果たします。

開発経緯

アメリカ陸軍は、M102 105mm榴弾砲を装備していました。しかし、1982年のフォークランド紛争でイギリス陸軍が運用したL118の性能がM102を上回っていることが判明します。そこで、L118を基にアメリカ軍が使用するNATO標準規格の105mm砲弾が使用できるL119を開発、1987年にM119として制式採用し、ライセンス生産を開始しました。

その後、細部の改良を加えたM119A1や、新型照準装置を搭載したM119A2へと改良が重ねられています。

運用

M119は、アメリカ陸軍の歩兵旅団戦闘団（IBCT）において、主要な遠距離火力として運用されています。ハンヴィーなどによる牽引輸送のほか、UH-60 ブラックホークやCH-47 チヌークといったヘリコプターによる空輸も可能です。これにより、迅速な展開能力を発揮します。

湾岸戦争での使用は不明ですが、アフガニスタン戦争やイラク戦争などの実戦で使用されています。2022年のロシアによるウクライナ侵攻の際には、アメリカから72門が供与されました。

性能

制式名: M119
種別: 榴弾砲
口径: 105mm
重量: 2,050kg
全長: 8.8m
全幅: 1.78m
砲員数: 7名
作動機構: 垂直鎖栓式閉鎖機、液気圧式駐退復座装置
砲架: 装輪箱型式脚
俯仰角: -5.625°~69.975°
旋回角: 左右に5.625°ずつ（台座使用時は360°全周旋回可能）
有効射程: 14,000m
最大射程: 19,000m（RAP弾使用時）
発射速度: 最大6発/分（初期2分間）、持続射撃時3発/分
弾薬: 半完全弾薬筒（105x372mmR; NATO標準規格）

登場作品

M119は、以下のゲーム作品に登場しています。

ARMA 2：榴弾、白リン弾、照明弾、対装甲探知破壊弾、レーザー誘導砲弾、発煙弾などを使用可能。プレイヤーによる操作や、砲撃モジュールによる火力支援要請が可能。
大戦略シリーズ：イギリス、アメリカ合衆国の牽引野砲ユニットとして登場。
back4blood：ストーリーモードで使用される兵器として登場。

関連項目

榴弾砲
L118 105mm榴弾砲
* M102 105mm榴弾砲

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