MK 103 機関砲

MK 103 航空機関砲

MK 103は、第二次世界大戦中にドイツのラインメタル・ボルジッヒ（Rheinmetall-Borsig）社によって製造された30mmの航空機関砲です。この機関砲は対戦車および空対空の目的で設計され、MK 101の改良モデルとして登場しました。MK 101と比較すると、MK 103は軽量化され、高い発射速度と砲口速度を特徴としています。

機構

MK 103の最大の特徴は、その給弾方式にあります。従来のマガジン式から進化し、弾薬をベルト式で供給することにより、より多くの弾薬を装填できるようになりました。また、発火機構は電気発火式を用いており、精度や信頼性の向上に寄与しています。

この機関砲の装填機構は、リコイル式のMK 101とは異なり、ガスとリコイルの複合機構を採用しています。発射時にはガスの圧力が砲尾を開放し、古い薬莢を排出して次の弾薬を装填します。しかし、軽量化のために使用された鋼材の品質が低かったため、MK 103はMK 101ほどの耐久性は欠けていました。特に、弱装弾であるHE弾を使用すると砲口速度が低下し、発射速度にも悪影響を及ぼします。それでもなお、MK 103はMK 101よりも高い発射速度を保持しています。一方、30mm徹甲弾は十分な装薬を使用しており、高い発射速度を実現できました。

使用例

MK 103は1943年からHs 129 B-2攻撃機の主武装として使用されるようになりました。この機関砲は当初、プロペラ軸から発射されるモーターカノンとしての利用が計画されましたが、その大きさと重量から実際の戦闘機に固定装備するには適さないという問題がありました。また、大口径砲の反動が強く、マウント位置が機体の中心から離れると、機関砲の反動で機体が損傷する危険性もありました。

そのため、具体的な使用例としては、Hs 129 B-2やFw 190A戦闘機、Fw 190F地上攻撃機などが挙げられますが、いずれも機体の下部に設置されたパック兵装や、翼下のゴンドラ兵装として搭載された形に留まりました。このような欠点を克服するため、銃身を短縮した改良型のMK 103Mが開発されましたが、最終的にはBf 109Kには搭載されず、Do 335にモーターカノンとして採用されました。

戦争後期には、MK 103は航空機に搭載されることがなく、基地防空用の対空兵器として、単装または連装で運用されるようになりました。また、IV号戦車を基にしたクーゲルブリッツ対空戦車や、同様の機関砲を4連装にしたヴィルベルヴィントの発展型に搭載される計画もありました。さらに、MK 103の改良型として、より小型化され、軽量化されたMK 108が開発されました。

搭載機

• - Fw 190A
• - Fw 190F
• - Hs 129 B-2
• - Do 335
• - Me 262 A-1a/U1

関連項目

• - MK 101 機関砲
• - MK 108 機関砲
• - ラインメタル
• - 航空機関砲

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