MOTHER (ゲーム)

『MOTHER』 (EarthBound Beginnings)

『MOTHER』は、エイプとパックスソフトニカによって開発され、1989年に任天堂から発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフトです。この作品は、コピーライターの糸井重里によるゲームデザインで、多くの人々から愛されている「MOTHERシリーズ」の第一作です。

ゲームの概要

物語は1980年代のアメリカを舞台に、主人公の少年が仲間と共に超自然現象を調査する冒険を描いています。このゲームは、ポップミュージックを基にしたBGMやカートゥーン風のキャラクターデザインを取り入れており、独自のSFファンタジー的な雰囲気が醸し出されています。プレイヤーは、多様な敵と戦いながら、物語を進めていきます。

発売当初は、「エンディングまで、泣くんじゃない。」や「名作保証」といったキャッチコピーが使われ、テレビCMで注目を集めました。このフレーズはコピーライターの一倉宏によるもので、ゲームの期待感を高めました。

移植とリリース

2003年には本作『MOTHER』と続編『MOTHER2 ギーグの逆襲』が一つのソフトに収められた『MOTHER1+2』が発売されました。ファミコン版からはテキストやグラフィックに一部変更が施され、エンディングには主人公たちのその後を描いたエピローグが追加されました。さらに、2015年にはWii Uバーチャルコンソールで『EarthBound Beginnings』として配信が始まったほか、2022年にはNintendo Switch Onlineの特典としても提供されています。

ゲームシステム

『MOTHER』の基本システムは、従来のRPGとは一線を画しています。プレイヤーは移動時に斜め方向にも動け、フィールドと町は同じスケールで描写されています。町の中では敵が出現しないため、探索に専念できます。

また、主人公は様々な武器や防具を装備し、経験値を得ることで「PSI」と呼ばれる超能力を学習します。このPSIは他のRPGでいう魔法に相当し、攻撃や回復に使われます。セーブは公衆電話を利用して行うため、ユニークなシステムが特徴的です。

舞台設定

物語は架空の町や場所が多く登場し、特に「マザーズデイ」という小さな町が重要な舞台となります。ほかにも多くの架空の町が登場し、鉄道やテレポーテーションなどの移動手段を駆使して旅を進めます。それぞれの町には独自の施設やキャラクターが存在し、プレイヤーは多様な人々と出会い、ストーリーを進めていくことになります。

主要キャラクター

プレイヤーが操作できる四人は、主人公の「ぼく」や、仲間となる「おともだち」、おんなのこ、もうひとりのおともだちです。それぞれ特性が異なり、異なる役割を持って旅を進めます。物語の中で出会う多くの仲間たちも、個性的で魅力的なキャラクターが揃っています。

戦闘システム

敵との戦闘はランダムエンカウント方式で行われ、行動順はキャラクターのスピードに基づき決まります。戦闘では、武器を使った物理攻撃やPSIを活用することができます。ただし、戦闘に敗北すると、選択肢によって再開位置が異なるため、戦略的にゲームを楽しむことが求められます。

影響と評価

本作はその独自の世界観と深い物語、個性的なキャラクターで、発売から数十年が経った現在でもカルト的な人気を誇ります。ゲーム史においても重要な位置を占めており、続編やリメイクの影響を受けるなど、そのLegacyは今なお色あせないものです。日本のゲーム業界だけでなく、世界中のゲームファンに、愛され続ける作品となっています。

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