MacOS Big Sur

macOS Big Surは、Appleが開発したMac用のオペレーティングシステムで、macOSの17番目のメジャーリリースです。バージョンナンバーは11となり、長年使われてきた10から変更されました。macOS Catalinaの後継として、2020年11月13日に無償でリリースされました。

名称は、カリフォルニア州の美しい沿岸地域、ビッグサーに由来します。このリリースでは、従来のIntelベースのMacに加えて、Appleシリコンを搭載したMacでも動作するようになりました。macOSが複数のアーキテクチャをサポートするのは、v10.5 Leopard以来、約13年ぶりのことです。

デザインの刷新



macOS Big Surでは、ユーザーインターフェースが大幅に刷新されました。メニューバー、Dock、ウィンドウなど、システム全体にわたってデザインが見直され、よりiOSに近いインターフェースへと進化しました。特に、アプリケーションのアイコンは一新され、Apple製品全体での一貫性が高められました。また、アプリケーションごとにアクセントカラーを設定できるようになり、SF Symbolsも更新され、サードパーティアプリケーションの開発者がより容易に利用できるようになりました。Appleは、このデザイン変更を「Mac OS Xのリリース以来、最大となるデザインのアップグレード」と表現しています。

コントロールセンター



これまでiOSとiPadOSに搭載されていたコントロールセンターが、macOSにも初めて導入されました。Wi-Fi、Bluetooth、AirDropなどの設定をメニューバーからワンクリックで変更できるようになり、より便利になりました。デザインはiOS版とは異なり、macOSのインターフェースに最適化されています。

通知センター



通知センターも大幅に改善され、通知のグループ化や通知上での操作が可能になりました。また、iOS 14で導入されたウィジェットが追加され、大きさや配置の自由度が増しました。Mac App Storeでは、通知センター用のウィジェットが検索できるようになりました。

Safari



macOSの標準ブラウザであるSafariも大幅に強化されました。スタートページのカスタマイズ、タブへのファビコン表示、タブにカーソルを合わせた際のページプレビューなどの機能が追加されました。プライバシー保護機能も強化され、プライバシーレポートやパスワードモニタリングが利用できるようになりました。さらに、ウェブページの翻訳機能（ベータ版）や、Google ChromeやFirefoxの拡張機能と互換性のあるWebExtensions APIのサポートも追加されました。表示速度や電力効率も改善され、より快適にウェブブラウジングを楽しめるようになりました。

Mac App Store



Mac App Storeも進化し、通知センターのウィジェットやSafari拡張機能が利用できるようになりました。各アプリのページにはプライバシー情報が表示されるようになり、家族共有での支払いもサポートされました。

その他の変更点



起動音が復活し、システム環境設定でオンオフを切り替えられるようになりました。システムレベルでWebP画像に対応し、Time MachineはAPFSに対応して、省スペースかつ高速になりました。Appleシリコン版とIntel版の両方がThe Open GroupによるUNIX 03認証を受けたUNIXオペレーティングシステムです。

システム要件



macOS Big Surは、以下の機種に対応しています。macOS Catalinaをサポートしていた機種の一部で、2012年や2013年モデルのMacが対象外となりました。


macOS Big Surは、ユーザーインターフェースの刷新や新機能の追加によって、Macの利用体験を大きく向上させるメジャーアップデートとなりました。Appleシリコン搭載Macへの対応も、今後のMacの進化を予感させる重要な一歩となりました。

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