Me 509 (航空機)

メッサーシュミット Me 509

メッサーシュミット Me 509は、第二次世界大戦中のドイツ空軍向けに設計された戦闘機であり、前のモデルであるMe 309を基にして構想されました。しかし、最終的には実機が完成することなくプロジェクトが終息してしまった機体です。

設計の特徴

Me 509は、特有のエンジンレイアウトが特徴です。具体的には、アメリカの名機ベルP-39 エアラコブラと似た設計で、コックピットの後ろにエンジンを配置しています。このレイアウトにより、操縦士の視界が改善され、機体のバランスも向上しました。搭載されたエンジンはダイムラー・ベンツ DB 605Bで、出力は1,085 kW（1,455 hp）を発揮し、最高速度は760 km/h（472 mph）を達成することが見込まれていました。

武装に関しても、非常に精力的な構成が考えられていました。具体的には、13 mm MG 131 機関銃を2基、さらに20 mm MG 151/20 機関砲を2基装備する予定でした。この火力があれば、当時の敵機に対しても十分な打撃力を持つとされていました。

降着装置と視界

降着装置は、またもMe 309と同様、前輪式を採用しています。特筆すべきは、Me 309の首脚が着陸試験中に損傷したのに対し、Me 509ではその荷重が軽減されていたことから、降着装置が安定した機能を果たせたと考えられています。また、機首が小型化されたおかげで、操縦士はより良い視界を獲得できていました。

プロジェクトの中止

しかしながら、この開発計画は1943年に中止されました。その理由は明確には語られていませんが、戦争の状況やリソースの配分が影響しているとされています。この決定により、多くの期待を寄せられたMe 509の夢は消えることとなりました。これに対して日本では類似の設計として、R2Y 景雲という機体が存在し、同様にエンジンのオーバーヒートという技術的課題に直面していました。

データスペック

• - 乗員: 1名
• - 全長: 9.94 m (32 ft 7 in)
• - 全幅: 11.27 m (37 ft)
• - 全高: 3.98 m (13 ft 1 in)
• - エンジン: ダイムラー・ベンツ DB 605B (1,085 kW / 1,455 hp)
• - 最高速度: 760 km/h (472 mph)

武装

• - 13 mm MG 131 機関銃 × 2
• - 20 mm MG 151/20 機関砲 × 2

関連項目

• - Bf 109
• - Me 209
• - Me 309
• - Me 409
• - Me 609

メッサーシュミット Me 509は、ドイツの航空技術の進化を象徴する機体であり、実際に飛び立つことはなかったものの、その設計には多くの未来の可能性が秘められていました。

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