Meta (企業)

Meta Platforms, Inc. (メタ・プラットフォームズ)

Meta Platforms, Inc.（メタ・プラットフォームズ、通称：Meta）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州メンローパークに本社を置く、世界的なテクノロジー企業です。かつてはFacebook, Inc.として知られていましたが、2021年に社名を変更し、メタバース分野への注力を明確にしました。Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerなど、世界中の人々が利用するソーシャルメディアプラットフォームを運営しています。

概要

Metaは、マーク・ザッカーバーグが2004年にハーバード大学の同級生と共に設立したFacebookが始まりです。当初はソーシャル・ネットワーキング・サービスとしてスタートしましたが、現在では、VR技術、AI、メタバースといった分野にも事業を拡大しています。Metaは、Amazon、Googleに次いで世界で3番目に研究開発費が多い企業であり、技術革新の最前線を走っています。また、Oculus VR、Giphy、Mapillaryなど、多くの企業を買収しており、事業領域を広げています。

情報技術産業のビッグ・ファイブの一角を担い、世界で最も価値のあるブランドの一つとしても評価されています。

歴史

株式公開 (IPO)

2012年2月、Facebookは新規株式公開（IPO）を申請し、その規模は当時過去最大級とされました。IPO時の株価は1株38ドル、評価額は1040億ドルに達し、大きな話題を呼びました。しかし、取引開始直後に技術的な問題が発生し、株価は一時低迷。その後、株価は回復したものの、IPO時の高評価を疑問視する声も上がりました。

社名変更とメタバースへの注力

2021年10月、Facebookは社名をMeta Platforms, Inc.に変更し、メタバース開発を事業の核に据える方針を表明しました。この社名変更は、Facebookというブランドイメージから脱却し、新たな成長分野へ注力する決意を示しています。Metaは、メタバース技術の研究開発に巨額の投資を行っており、今後の成長が期待されています。

近年の動向

2022年以降、Metaはロシアでの過激派組織認定、大規模な人員削減、そしてTwitter（現：X）への対抗サービス「Threads」の開始など、多くの出来事を経験しました。また、AI技術を活用した政治・選挙広告の透明化にも取り組んでいます。

ファクトチェック

2024年、Metaは投稿内容の正確性を検証する外部機関との提携を開始しました。これは、フェイクニュースや誤った情報の拡散を防ぎ、ユーザーの信頼を確保するための取り組みです。

特徴

企業の合併・買収

Metaは、積極的な企業買収戦略をとっています。Instagram、WhatsApp、Oculus VR、Giphyなど、多くの企業を買収することで、事業領域を拡大し、技術力を強化してきました。特に、InstagramとWhatsAppの買収は、Metaの成長に大きく貢献しています。しかし、Giphyの買収は、独占禁止法上の問題から売却を余儀なくされました。また、連邦取引委員会からは、InstagramとWhatsAppの買収が独占的地位を不当に維持しているとして提訴されています。

ロビー活動

Metaは、ロビー活動にも多額の資金を投入しています。2019年には1670万ドルを費やし、71人のロビイストを擁しており、政策決定に影響を与えようとしています。

経営陣

Metaの経営陣は、マーク・ザッカーバーグをはじめ、シェリル・サンドバーグ、ペギー・アルフォードなど、業界を代表する人物で構成されています。

施設

Metaは、世界中にオフィスやデータセンターを構えています。アイルランドやシンガポールには法人を設立し、税制上の優遇措置を受けています。また、データセンターは再生可能エネルギーの利用を推進し、環境負荷の低減に取り組んでいます。日本では、2010年に「Facebook Japan株式会社」を設立し、2023年に合同会社へと組織変更しました。

問題

人身売買の放置

Metaのプラットフォームは、人身売買組織による勧誘や虐待の温床となっていることが指摘されています。Metaは、これらの問題を知りながら、適切な対策を講じてこなかったとして批判されています。

反イスラムの扇動的コンテンツの放置

インドでは、FacebookやWhatsAppが反イスラム的な扇動コンテンツの拡散に利用されているという報告があります。Metaは、これらのコンテンツを放置し、社会的な混乱を招いているとして問題視されています。

なりすまし・詐欺広告の放置

Metaのプラットフォームでは、著名人になりすました詐欺広告が横行しており、多くの被害者が出ています。Metaは、これらの広告を放置し、ユーザーに損害を与えているとして、訴訟も提起されています。

Instagramの有害性理解と放置

内部調査の結果、Instagramが10代の少女の精神衛生に悪影響を与えていることが判明しています。Metaは、この事実を認識しながら、適切な対策を講じていないとして批判されています。

化石燃料の広告掲載

Metaは、化石燃料業界の広告掲載を続けており、地球温暖化を助長しているとして非難されています。

罰金

2023年には、Metaの子会社が不正に情報収集を行うアプリを提供したとして、オーストラリアの裁判所から罰金を言い渡されました。

まとめ

Meta Platforms, Inc.は、世界的な影響力を持つ巨大テクノロジー企業ですが、多くの問題も抱えています。人身売買、詐欺広告、SNSの有害性など、社会的な責任を果たすべき課題が山積しています。Metaは、これらの問題に真摯に向き合い、信頼回復に向けて努力していく必要があります。

もう一度検索