Mind Travel

Superflyの3枚目のアルバム『Mind Travel』は、2011年6月15日にリリースされ、大きな話題を呼びました。前作『Box Emotions』から約1年9ヶ月ぶりのリリースとなる本作は、それまでに発表されたシングル曲をほぼ網羅した内容となっています。中でも注目すべきは、「タマシイレボリューション」がアルバム用にリアレンジされたExtendedバージョンで収録されている点です。ただし、「Dancing On The Fire」、「Roll Over The Rainbow」、「You & Me」の3曲は、今作には収録されませんでした。

パッケージにも工夫が凝らされています。初回限定盤はデジパック仕様で、アルバム未収録のシングル7曲とアルバム収録曲3曲のミュージックビデオを収録したDVDが付属。さらに、14種類からランダムで1枚選ばれたアルバムイメージのステッカーも同梱されています。通常盤には、「旅の栞」という小冊子が付属していました。

アルバム発売を記念して、発売日当日に横浜赤レンガ倉庫イベントスペースでフリーライブが開催されました。このライブは、UstreamGYAO!、LISMO WAVEで生中継され、多くのファンがリアルタイムでSuperflyのパフォーマンスを楽しみました。

そして『Mind Travel』は、オリコンチャートで初登場1位を獲得するという快挙を成し遂げました。これは、Superflyにとってデビューからの3作連続アルバム首位獲得という記録的な出来事でした。さらに、シングルながらアルバムチャートで1位を獲得した『Wildflower & Cover Songs:Complete Best 'TRACK 3'』を合算すると、4作連続の首位獲得となり、女性アーティストとしては宇多田ヒカル以来7年3ヶ月ぶりとなる偉業となりました。

アルバム収録曲は、蔦谷好位置氏をプロデューサー&アレンジャーに迎え、多保孝一氏がベーシックアレンジを担当。多様な楽曲が収録されています。

まず、先行配信シングルとしてリリースされた「Rollin' Days」は、フジテレビ系ドラマ『BOSS 2ndシーズン』の主題歌で、前作『Box Emotions』に続く『BOSS』シリーズとのタイアップを果たしました。また、『BOSS』シリーズを通してオープニングテーマとして使用された「Alright!!」と合わせて、シリーズの重要な楽曲となっています。

12thシングルの表題曲「Beep!!」は映画『漫才ギャング』の主題歌に起用され、同シングルのカップリング曲「Sunshine Sunshine」は『MEET THE MUSIC 2011』キャンペーンソングとして使用されました。

10thシングルの表題曲「Wildflower」はフジテレビ系ドラマ『GOLD』の主題歌、3曲目「Free Planet」はソニーエリクソンのCMソングとして話題になりました。また、同シングルの2曲目である「タマシイレボリューション」は『NHKサッカー』2010年度テーマソングとして親しまれており、アルバムバージョンではイントロと間奏がリアレンジされ、シングルバージョンより20秒長い演奏時間となっています。ライブでは、このExtendedバージョンが主に演奏されています。

11thシングル「Eyes On Me」はPSP専用ソフト『The 3rd Birthday』のテーマソングに起用され、アルバムにはロックナンバー「Deep-sea Fish Orchestra」や「Free Planet」も収録されています。「Deep-sea Fish Orchestra」はレッド・ツェッペリンを、「Free Planet」はディープ・パープルを彷彿とさせるサウンドが特徴です。

「Morris」はデビュー前に存在していた楽曲で、越智志帆さんの上京後に家族から聞いた父のギター再開をきっかけに制作された、個人的な思いが込められた楽曲です。また、多保孝一氏も作詞に参加しています。

「悪夢とロックンロール」にはMO'SOME TONEBENDER百々和宏氏がセカンドボーカルとして参加し、ミック・ジャガーとの恋物語をテーマにしたユニークな楽曲に仕上がっています。

そして、「Ah」はHONDA「オデッセイ」のCMソングに使用されました。当初は歌詞のあるバージョンが制作されていましたが、アルバム収録に際し、声のみのバージョンが制作され、歌詞のあるバージョンは後に13thシングルとしてリリースされました。この楽曲を基に制作されたショートフィルム『皆既日食の午後に』も話題になりました。

初回限定盤のDVDには、豪華なミュージックビデオが多数収録されており、アルバムの世界観をさらに深く味わえる内容となっています。

『Mind Travel』は、Superflyの音楽的多様性と高い音楽性を示す、代表的なアルバムとして高く評価されています。

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