Moon Browser

Moon Browser（ムーンブラウザ）は、2000年代初頭に登場した、Microsoft Windows 98およびMicrosoft Windows 2000 Professionalに対応したタブブラウザです。Internet Explorer（IE）のコンポーネントを利用して開発され、開発者はx08z氏です。

2000年5月29日に最初のバージョンであるver 0.01 Beta 1が公開され、その後、2003年まで開発が続けられました。現在公開されているバージョンの中で最新版に近いver 0.41 Beta 4では、マウス操作の対応など、現在のブラウザと比較すると機能が十分でない点も見られます。しかし、タブブラウジングやセキュリティ設定の切り替えなど、当時の主要なブラウザで一般的だった機能は一通り備わっています。

テスト版として公開された0.50 A build 2106では、バージョン0.4で指摘された主要な問題点が大幅に改善されており、より快適に操作できるようになっています。

2003年9月以降、開発は休止しているため、その後に普及した5ボタンマウスやマウスジェスチャーには対応していません。これらの機能を利用したい場合は、外部ソフトウェアを使用する必要があります。

主な機能

タブブラウズ:
一つのウィンドウ内で複数のWebページをタブで切り替えて表示できます。各タブには「タブマネージャー」と呼ばれる機能が付いており、表示中のタイトルを一覧したり、複数のタブを同時に閉じたりすることが可能です。
閲覧設定の簡易切り替え:
画像の表示/非表示、サウンドやムービーなどのマルチメディア再生の切り替え、JavaScript、Java、ActiveXの実行・ダウンロードに関するセキュリティ設定、クッキーの設定などをボタン一つで簡単に切り替えられます。さらに、メニューからこれらの設定をまとめて反転させることもできます。
独自ブックマーク:
ブックマークは独自に管理されますが、Internet Explorerのお気に入りやNetscape bookmark形式のファイル（NetscapeシリーズやMozilla系のブラウザでブックマーク管理に利用されている）からのインポート機能を備えています。
複数同時検索:
指定された複数の検索エンジンに対して、同時にクエリを送信し、検索結果を複数のタブに同時に表示できます。
セキュリティゾーン対応:
Internet Explorerのインターネットオプションで設定されたセキュリティゾーンの設定を認識し、IEと同様にステータスバーに表示したり、ステータスバーのアイコンをダブルクリックすることで設定を変更したりできます。
ドッキングツールバー:
標準ツールバー、サイドバー（ムーンバー）、タブバーをメインウィンドウから切り離して表示できます。ツールバーとムーンバーは縦置き表示も可能です。

その他

開発は2003年で終了していますが、Moon Browserは当時のブラウザの機能を備えつつ、独自の機能も搭載したブラウザとして注目されました。現在では利用できる環境が限られていますが、かつてのWindows環境で利用されていたブラウザの一つとして、その歴史を知る上で貴重な存在です。

外部リンク

Moon Browser - ウェイバックマシン（2001年12月4日アーカイブ分）
Moon Browser Alpha - ウェイバックマシン（2003年12月5日アーカイブ分）

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