Motif (GUI)

Motif（モチーフ）とは



Motifは、X Window Systemにおけるグラフィカルユーザインタフェース (GUI) の規格の一つで、操作手順や見た目（ルック・アンド・フィール）の統一を目指して策定されました。Open Software Foundation (OSF) によって定められ、正式にはOSF/Motifと呼ばれます。1989年に最初のバージョンがリリースされ、OSFの変遷を経て、現在はThe Open Groupが管理しています。

日本語版Motif


日本語版のOSF/Motifは、株式会社アスキーと株式会社アステック（現 株式会社アールワークス）によって共同開発されました。

Motifツールキット


Motif規格に沿ってプログラムを開発するためのウィジェット・ツールキットは、Motifツールキットと呼ばれ、このツールキット自体を指してMotifと呼ぶこともあります。この規格はIEEE 1295として規格化されています。

mwm（Motif Window Manager）


Motifベースのウィンドウマネージャはmwm（Motif Window Manager）であり、CDE（Common Desktop Environment）でも標準のウィンドウマネージャとして採用されています。mwmでは、各アプリケーションウィンドウの外側にMotifの規定に従った枠やボタンが配置され、ウィンドウのサイズ変更や移動などの操作が可能になります。

  • - リサイズハンドル: ウィンドウの枠はリサイズ・ハンドルと呼ばれ、ドラッグ操作でウィンドウの拡大縮小ができます。
  • - メニューボタン: 左上のボタンはメニューボタンで、ウィンドウ操作のメニューが表示されます。
  • - アイコン化ボタンと最大化ボタン: 右上には、アイコン化ボタンと最大化ボタンが並んでおり、ウィンドウのアイコン化や最大化が可能です。
  • - タイトルバー: ボタンの間を埋める部分はタイトルバーと呼ばれ、ウィンドウのタイトル表示と移動機能を提供します。

マウス操作


Motifは、3ボタンマウスの使用を前提とした設計が見られることが多いですが、これはMotif固有のものではなく、X Window Systemの主なプラットフォームであるエンジニアリングワークステーションにおいて一般的であったためです。

デスクトップ環境


Motifをベースとしたデスクトップ環境には、ヒューレット・パッカードが開発したHP-VUE (Visual User Environment) があります。さらに、HP-VUEを元に複数のベンダーで共通規格化されたものがCDEです。

Open Motif



Open Motifは、The Open GroupがMotifツールキットのソースコードを公開したものです。基本的にはプロプライエタリライセンスですが、シェアードソーススタイルを採用し、オープンソースのプラットフォーム上であればロイヤルティーフリーでの配布を可能にしました。これは、オープンソースプラットフォーム上でMotifツールキットに依存するアプリケーション（例：Netscape Navigator）を利用できるようにするためです。

2000年5月にはバージョン2.1.30がOpen Motifとしてリリースされ、現在ではOpen Motif 2.2.3が多くのLinuxディストリビューションに採用されています。Open Motif 2.3は2007年6月にリリースされました。2012年には、Motif自体のライセンスがLGPLに変更されています。

脚注



注釈


出典


参考文献

  • - 「SuperASCII 1991年1月号」第2巻第1号、株式会社アスキー出版、1991年1月1日。

関連項目



外部リンク


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