Open Software Foundation

オープンソフトウェアファウンデーション（OSF）とは

オープンソフトウェアファウンデーション（OSF）は、1988年に設立された組織で、UNIXオペレーティングシステムの実装におけるオープン標準の策定を目的としていました。この組織は、DEC（デジタル・イクイップメント・コーポレーション）が中心となり、いくつかのUNIXベンダーに共同開発を呼びかけたことが発端です。当時、AT&Tとサン・マイクロシステムズがUNIX統合を進めようとしており、その動きに対抗する形で設立されました。

OSFは、フリーソフトウェア財団（FSF）とは異なり、名称と所在地が似ているだけで、関係は一切ありません。

OSFのメンバー

設立当初、OSFにはアポロコンピュータ、Bull、DEC、ヒューレット・パッカード、IBM、ニクスドルフ、シーメンスの7社が参加し、「Gang of Seven」と呼ばれていました。その後、フィリップスと日立製作所もメンバーに加わりました。

OSFの歴史

OSFの設立は、AT&Tとサン・マイクロシステムズによるUNIX System V Release 4の共同開発に対する対抗措置としての側面が強くありました。他のベンダーが標準化プロセスから締め出されることを懸念し、OSFが設立されました。サンのスコット・マクネリは、OSFを「Oppose Sun Forever（永久にサンに反対）」の略だと皮肉りました。この対立は「UNIX戦争」と呼ばれています。

AT&TもOSFに対抗するため、同じ年にUNIX International（UI）を設立しました。

OSFは、標準UNIX実装としてOSF/1を開発し、1992年にDECからリリースされました。しかし、この方針は結果的にうまくいきませんでした。1994年にOSFがOSF/1の開発を中止した時点で、実際にOSF/1を使用していたのはDECと日立製作所のみでした。DECはOSF/1をDigital UNIXと改称し、後にコンパックに買収された後にはTru64 UNIXと再び改称しています。

OSFは、他にもウィジェット・ツールキットのMotifや分散ネットワークコンピューティング技術パッケージDCEなどの技術を開発しました。

1993年になると、UNIXベンダーの脅威は他のUNIXベンダーではなく、マイクロソフトの企業向け市場への進出であることが明らかになってきました。同年5月、UIとOSFの主要なUNIXベンダー（HP、IBM、サン、USL、SCO）が集まり、Common Open Software Environment（COSE）イニシアチブを設立することを発表しました。この合意の一部として、サンがOSFに参加し、OSFはMotifの認証とブランディングをX/Openに委ねることになりました。

1994年3月、OSFとUIは合併し、名称はOSFが存続することになりました。COSEの開発モデルをPre-Structured Technology（PST）プロセスに取り入れ、COSEが予定していたCommon Desktop Environment（CDE）の開発も新OSFが担当することになりました。1995年9月には、OSF/MotifとCDEを統合し、CDE/Motifという一つのプロジェクトとして進めることが発表されました。

1996年2月、新OSFはX/Openと合併し、The Open Groupとなりました。

OSFの関連項目

• - Tru64 UNIX

もう一度検索