Music Maker

Music Maker (ミュージックメーカー) について

Music Makerは、ドイツのMAGIX社が開発したデジタル・オーディオ・ワークステーション（DAW）ソフトウェアです。プロ向けのSequoiaやSamplitudeのエンジンをベースに、より手軽に音楽制作を楽しめるエントリーモデルとして位置づけられています。

日本では未発売のバージョンもありますが、この記事ではバージョン15（日本版ではバージョン2に相当）を基準に解説します。

主な特徴

Music Makerは、競合他社の製品と比較して、以下のような独自の機能が特徴です。

エラスティックオーディオ：録音済みのボーカルなどの音源のピッチ（音高）を、視覚的に調整できます。通常、この機能は上位モデルに搭載されることが多いですが、Music Makerでは低価格帯で利用できます。（Premium/Producer Editionのみ）
ソングメーカー：演奏時間やジャンルなどを指定するだけで、豊富なオーディオ素材から自動で楽曲を生成できます。（バージョン15からの新機能）
動画編集機能：動画や静止画素材を、音声素材と同じインターフェースで扱えます。これにより、ミュージックビデオなどの制作も可能です。

機能詳細

対応規格
インターフェース：VST/VSTi、DirectX、ReWire（マスターのみ、バージョン15）、ASIO、MAGIX Low Latency（全てPremium/Producer Editionのみ）
ファイルフォーマット：WAV、MP3、Ogg Vorbis、WMA、AIFF、QuickTime、MIDI、CD-A、BMP、JPEG、AVI、WMV、MXV（MAGIX独自形式）、MP3 Surround（エクスポートのみ）、RealMedia Helix（エクスポートのみ）

内蔵音源
BeatBox 2 plus：標準的なドラムマシン（Premium/Producer Edition、バージョン15からの新機能）
More Vital Instruments：様々な楽器の音源
Vita：Yellow Tools社との共同開発による、サンプリング音源
Revolta 2：アナログシンセサイザー（Premium/Producer Editionのみ）
MIDI Instruments
Robota：1980年代風のドラムシンセ音源
Drum&Bass Machine：アシッド系のリズムマシン
LiViD：ドラムシミュレータ
Atoms：効果音シンセサイザー
その他：ヴォコーダーもエフェクトとして利用可能

ラインナップ

Music Makerには、様々なエディションが存在します。

基本ラインナップ
Music Maker 16、Music Maker 16 Premium など
Music Maker 15、Music Maker 15 Premium など
Music Maker 3 Producer Edition

その他
Music Maker Rock Edition 3、Music Maker Techno Edition 3、Music Maker Hip Hop Edition 3
Music Maker Rockstar（プレイステーション2用）
Music Maker for MySpace
USB-MIDIキーボード同梱版など、パッケージ違いのバージョンも存在します。

Premium（またはProducer Edition）は、バージョン14から登場した機能拡張版です。拡張機能の一部は、上位モデルであるSamplitudeから流用されています。バージョン14ではProducer Editionでしたが、バージョン15からはPremiumという名称に変更されました。

バージョンは原則として連番ですが、13は欠番で、バージョン12の次は14でした。

日本版について

日本版は、2007年12月21日にMusic Maker Producer Edition（バージョン1）として発売されました。その後、2009年3月19日にはMusic Maker 2 Producer Editionにバージョンアップしました。バージョン1は14 Producer Edition、バージョン2は15 Premium、バージョン3は16 Premiumに相当します。

輸入販売店は当初AH-Softwareでしたが、Music Maker 2019 Premium Editionからはソースネクストが販売しています。一方、上位モデルのSequoiaやSamplitudeは、フックアップが輸入販売を担当しています。

他国版との違い

音楽ソフトとしての機能は同じですが、ネット関連の機能には一部制限があります。また、ラインナップやパッケージもかなり異なります。

日本版では、安価な通常版がなく、Producer Editionのみが販売されています。高機能版の名称は、海外ではバージョン15からPremiumに変更されましたが、日本語版ではProducer Editionのままです。

パッケージデザインも、日本版のみ独自のデザインが採用されており、バージョンごとに色と音符の数（1個から2個）が変わるという特徴があります。

VOCALOIDとの連携

Music Makerは、YAMAHAの歌声合成エンジンVOCALOIDとの連携がアピールされています。

バージョン1の発売時には、初音ミクのブームが起きていた時期で、初音ミクの名前が前面に押し出されていました。その後、様々なVOCALOID製品が登場したことから、バージョン2では「VOCALOID2」という言葉が前面に打ち出されるようになりました。

Music Maker自体はVOCALOIDとの連携を前提に作られたわけではありませんが、エラスティックオーディオ機能はボーカル曲のミキシングに非常に便利です。また、VOCALOID対応のVST/VSTiやReWireにも対応しています。

さらに、動画編集機能は、ニコニコ動画などの動画投稿サイトへの投稿動画作成にも活用できます。

jamバンド

「jamバンド」は、数量限定の特別パッケージです。萌え系のオリジナルキャラクターがデザインされ、オリジナルグッズが同梱されていますが、ソフトウェア本体は通常版と同一です。インターフェースのみ「jamバンド仕様」となっています。

まとめ

Music Makerは、手軽に音楽制作を始めたい方から、本格的な音楽制作に取り組みたい方まで、幅広く対応できるDAWソフトウェアです。豊富な機能と使いやすさが魅力で、初心者でもすぐに音楽制作を楽しめます。

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