N900iG

FOMA N900iG：グローバル対応ハイエンド携帯電話

NECが開発したNTTドコモのFOMA端末、N900iGは、国際ローミングサービスWORLD WINGに対応した、ドコモ9シリーズ初のグローバル対応ハイエンドモデルとして知られています。ベースモデルであるN900iを改良し、GSM、GPRS、W-CDMAといった海外通信規格に対応することで、国内だけでなく海外でもシームレスな通信を可能にしました。

デザインと機能性

N900iGは折りたたみ式を採用していますが、一般的なアークラインデザインとは異なる独自の形状が特徴です。背面には124万画素のνMaicoviconカメラを搭載しており、これは松下電器産業が開発したνMaicoviconを搭載した最初の携帯電話機種となりました。カメラはヒンジ部分近くに配置されています。サブディスプレイにはN901iSと同等の1インチTFT液晶を採用し、高い視認性を確保しています。カラーバリエーションはオーシャンブルーのみで、青と銀のツートンカラーが洗練された印象を与えます。

国際ローミングとレンタルサービス

N900iGの最大の特徴は、WORLD WINGに対応したことで、海外でもドコモのFOMAサービスが利用できた点です。当時としては画期的な機能であり、海外旅行者にとって非常に便利な端末でした。しかし、9シリーズ初期のモデルということもあり、国際ローミング対応による消費電力増加の影響で、連続待受時間が150時間と短かった点が課題でした。

この短所にも関わらず、ドコモがしばらくの間、国際ローミング対応端末を発売しなかったこともあって、N900iGは長く販売されました。さらに、WORLD WINGのレンタル端末としても広く導入され、多くの海外渡航者に利用されました。2006年にはSIMPUREシリーズやM702iG、N902iSといったローミング対応端末が相次いで登場し、レンタルサービスにおけるN900iGの需要は減少。2008年6月にはN705iに置き換えられ、レンタルサービスから退役しました。

9シリーズにおける役割とその後継機

しばらくの間、ドコモの9シリーズにおいてGSM方式の国際ローミングに対応した機種はN900iGのみでした。しかし、2007年に登場したN905iシリーズが国際ローミングに対応したことで、N900iGは、その役割を終えることとなりました。N900iGは、ドコモの国際ローミングサービス普及において重要な役割を果たした機種であり、その歴史的意義は高く評価されています。N900iGの後継機としては、N705iがレンタルサービス用として採用されました。

歴史

2004年8月10日：電気通信端末機器審査協会 (JATE) 審査通過 (認定番号: A04-0400001)
2004年12月25日：発売開始
2008年6月：レンタルサービス終了 (N705iへの交換開始)

関連機種

N900i
N900iL
N900iS
N902iS
N905i
SIMPUREシリーズ
NM850iG (Nokia 6630)
M702iG
L704i
N705i (2世代目のレンタル機種)

関連サービス

WORLD WING

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