NAAWS

NAAWS (NATO Anti-Air Warfare System) について

NAAWSは、NATOの艦載防空戦闘システムであり、共同フリゲートの開発計画における主要な要素として位置づけられています。1980年代後半に、NATO加盟国の海軍は、共通のフリゲートを設計及び建造するNFR-90構想を立ち上げ、その一環としてNAAWSの開発が始まりました。しかし、計画は様々な意見の相違から1990年代初頭に中断され、参加国はそれぞれ独自の道を歩むこととなりました。

来歴と分裂

始まりは1980年代後半に遡ります。NATOの8カ国がNFR-90計画に参加し、50隻以上のフリゲートを建造することを目指していました。この計画のもとで、NAAWSは艦載システムとして開発が進められました。しかし、対水上戦や近接兵器に関する各国の見解の違いが浮き彫りになり、NFR-90計画は次第に分裂していきました。

その結果、アメリカ、日本、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スペインの国々は、NAAWSの理念をもとに異なる戦闘システムの開発を続けました。アメリカはDDGX研究を基に新たなミサイル駆逐艦の計画を推進し、既存艦艇の防御能力を向上させることにシフトしました。

一方で、イギリス、フランス、イタリアはホライズン計画を発足させ、PAAMS（フリゲート用の防空システム）を開発しました。これは、多機能レーダーと射撃指揮システムによる高い効率性を追求したもので、その後、イギリスはホライズン計画からは離脱しましたが、PAAMSに関しては共同で引き続き開発を進めました。

NAAWSの技術的要素

NAAWSは、特にタレス・ネーデルラント社が開発した対空戦闘システムの一部として注目に値します。このシステムは、様々なミサイルシステムを組み合わせたものであり、特にアメリカ製ミサイルを用いるセクションはNAAWSとも称されることがあります。構成要素には、長距離捜索レーダー、艦隊防空ミサイル、および戦術情報処理装置が含まれます。

NAAWSのアプローチは、イージスシステムやSSDSに類似しており、特に戦術情報処理装置を同時に開発する点に特徴があります。単一の固定アンテナを用いたAPARレーダーや、米国のMk 41垂直発射システムの採用により、しばしば「ミニ・イージス」と呼ばれることもあります。

NAAWSを搭載する艦艇

数隻の艦船がNAAWSを搭載しています。例えば、ドイツ海軍のザクセン級フリゲート、オランダ海軍のデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート、デンマーク海軍のアイヴァー・ヒュイトフェルト級フリゲートなどです。これらの艦は、NAAWSにより強化された防空能力を持ち、現代の海戦において重要な役割を果たしています。

PAAMSとSSDSの関係

PAAMSは英国、フランス、イタリアによって開発されたもので、ホライズン計画艦に搭載されています。これに対し、艦艇自衛システム（SSDS）はNAAWSの理念を拡大し、さまざまな艦船に適用できるよう設計されています。SSDSはネットワーク中心の戦闘スタイルを取り入れ、現代の戦闘艦に求められる柔軟性を提供しています。

結論

NAAWSは、NATOの艦載防空戦闘システムとしての重要性が高く、その技術的進化及び他国との共同開発を通じて、現代の海洋防衛において欠かせない存在となっています。未来においても、これらの戦闘システムは国際的な海軍の防空戦能力において中心的な役割を果たすことでしょう。

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