NEW LOVE

B'zの21作目オリジナルアルバム『NEW LOVE』：新たな愛、新たな挑戦

2019年5月29日、日本の音楽ユニットB'zは、VERMILLION RECORDSより21作目のオリジナルアルバム『NEW LOVE』をリリースしました。前作『DINOSAUR』以来1年半ぶりのオリジナルアルバムとなる本作は、B'zの新たな一面を鮮やかに描き出した、多くの話題を呼ぶ作品となりました。

アルバムの概要：シングル未収録、全曲ライブ披露という挑戦

『NEW LOVE』には、タイアップ楽曲として話題を集めた「マジェスティック」、「兵、走る」、「WOLF」、「デウス」を含む全13曲が収録されています。特筆すべきは、B'zのオリジナルアルバムとしては初めて、シングル曲が収録されていないという点です。これにより、これまでのB'zとは異なる新たな魅力を提示することに成功しました。

アルバム制作には、2019年のライブツアー『B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE-』のサポートメンバーに加え、ストーン・テンプル・パイロッツのロバート・ディレオ、そして「Rain & Dream」ではエアロスミスのジョー・ペリーといった豪華ミュージシャンが参加。それぞれの個性が楽曲に深みと広がりを与えています。さらに、19thアルバム『EPIC DAY』以来となる、全収録曲のライブパフォーマンスも実現しました。

アルバムタイトル『NEW LOVE』に込めた意味

アルバムタイトル『NEW LOVE』について、稲葉浩志さんは「30周年を終え、改めて自分たちが好きな音楽をやっているという気分をタイトルにした」と語っています。そこには、「新しいことにチャレンジしていく気持ち」と「これが我々の好きな音だ」という強いメッセージが込められています。

また、近年の作品タイトルが『EPIC DAY』、『DINOSAUR』、「HINOTORI」など、重厚で力強いものが続いていたことへの反動として、今回は柔らかくニュートラルな印象のタイトルを目指したとのこと。最終的に、1曲目の「マイニューラブ」から着想を得て「NEW LOVE」に決定しました。「ニュー」の響きと、「自分たちが好きなもの」という意味で「ラブ」という言葉がぴったりだと感じたそうです。

制作過程：ブルースへの傾倒と進化

アルバム制作は、2018年の『B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-』ツアー中から一部楽曲の制作が始まっていました。「兵、走る」、「WOLF」、「マジェスティック」といったタイアップ曲は、この期間に構想が練られました。本格的な制作は、2018年9月の『B'z PARTY Presents B'z Pleasure in Hawaii』終了後からスタート。30周年ツアー終了後すぐに新作発表という迅速な動きも話題となりました。

松本孝弘さんは、近年のブルースへの傾倒を明かし、本作ではそれが色濃く反映されていると語っています。特にコード進行は、過去の作品『The 7th Blues』をさらに進化させたものとなっています。レコーディングでは、1曲ごとに様々なギターを試すというこだわりが今回も貫かれています。ビンテージギターを積極的に使用した点も、アルバムの独特のサウンドに貢献しています。

稲葉さんは、本作がコンセプチュアルではなく、非常に正直な自身の姿を反映した作品だと語っています。歌詞には、前年のツアーでのコンディション不調も影響を与えているとのことです。また、曲順は稲葉さんの案がそのまま採用されるという、異例の流れとなりました。

プロモーションと記録：令和への幕開けを飾る作品

『NEW LOVE』は、元号が平成から令和へと移行した後の最初の作品となりました。発売告知のため、渋谷スクランブル交差点に平成と令和をデザインした限定ビジュアルの広告が掲示されるなど、大きな話題を呼びました。

オリコン週間アルバムチャートでは初登場1位を獲得、通算29作目の首位獲得となり、アルバム総売上枚数も4600万枚を超え、記録を更新しました。オリコン年間アルバムチャートでも9位と健闘し、オリジナルアルバムのトップ10入りは17年ぶりとなりました。

リリース形態と収録曲：多彩な楽曲と豪華特典

『NEW LOVE』は、通常盤（CDのみ）、初回生産限定盤（CD+オリジナルTシャツ）、アナログレコードの3形態でリリースされました。全形態に音楽文化ライター・佐伯明氏によるライナーノーツが付属。初回盤には、抽選で「B'z×PockyⓇ」グリコワゴンBOXが当たる応募抽選カードが封入されるなど、豪華特典も用意されていました。

収録曲は、それぞれに魅力的な楽曲が並んでおり、その詳細については、別の説明で解説します。タイアップ曲の多さ、そして楽曲制作における様々なエピソードなど、このアルバムにはB'zの新たな挑戦と進化が凝縮されています。

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